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    [CATEGORY]:不倫・離婚・DV

夫が他の女性とキスをしていた。離婚できるか。[POSTED]:2018-07-10

[ 問 題 ]Q45 夫が他の女性とキスをしていた。離婚できるか。
不正解答え:『 B.罪にならない。 』
理由:性行為がなければ、不貞行為にあたらないので離婚できません。
正解!答え:『 B.罪にならない 』
理由:性行為がなければ、不貞行為にあたらないので離婚できません。

「ほんとかわいいなー。チュー。」

今夜は会社の忘年会でした。上司と席が離れていたのを良いことに、一年の憂さ晴らしとばかりにW男は久々に酔っぱらいました。挙句、情けないことに、同僚の女性社員H子に送られてタクシーで帰宅しました。
「W男さん、お家着きましたよ。起きてください。」
H子に揺すり起こされました。家の中では、エンジン音を聞きつけて、妻のD子がカーテンを開けて外を見ていました。
「H子ちゃんありがとう。ほんとかわいいなー。チュー。」
W男は寝ぼけ眼のまま、H子にキスをした。H子はさばけた性格で、酔っぱらいのキスなどなんとも思いません。強制わいせつの刑事事件だと言って、警察に被害届を出してやろうとは考えていないようです。H子の様子から考えると、H子へキスした点について、W男が刑事事件弁護士に相談して刑事事件化を阻止するということは必要なさそうです。
「はいはい。では、おやすみなさい。」
W男は千鳥足でタクシーを降り、門扉をくぐりチャイムを押しました。
「旦那様のおかえりだぞー。」
玄関扉が開く様子はありません。
ちっ。舌打ちし、ポケットをまさぐりやっとのことで鍵を出し、扉を開けておぼつかない足取りで中に入ります。そこには仁王立ちをした妻D子がいました。
「いるなら開けろよ。まったく。」
W男の言葉を遮って、D子はものすごい剣幕でまくしたててきました。
「見たわよ!キスしていたでしょ。浮気するなんて許せない! 離婚よ、離婚!」
W男は、一気に酔いが冷めました。
「おいおい、確かに酔っぱらってキスをしたのは認める。すまなかった。しかし、彼女は会社の同僚だぞ。送ってもらったのだって今日が初めてだし、断じてキス以上のことはしていない。」
「それ以上のことをしていないから何だって言うの。不倫をされたら離婚できるはずよ。慰謝料だって支払ってもらえるはず。」
「不倫って…。キスしただけじゃないか。」
二人の話し合いは平行線をたどりました。
浮気や不倫の定義はあいまいです。人によっては、携帯電話に異性の連絡先が登録されていたり、異性と言葉を交わしたりするだけでも浮気と考えるようです。
手をつなぐのはセーフだけど、キスからは浮気。性行為をしていても、愛情がないなら浮気ではない。考え方は千差万別です。
H子との間では刑事事件にならずに済んだW男ですが、妻に対して慰謝料を支払って離婚しなければならないのでしょうか。

一回きりの浮気で離婚はできない

離婚は夫婦の合意があれば問題なくできます。
「他に好きな人ができたから。」
「なんとなく嫌になったから。」
理由はどうあれ、相手が離婚に同意をしてくれれば問題はありません。
では、相手が離婚に合意しない場合に、裁判で強制的に離婚できるのでしょうか。裁判離婚は一方が嫌がっていても強制的に離婚させることができる制度です。
裁判上の離婚事由としては
一 配偶者に不貞な行為があったとき
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
と、民法七七〇条に規定されている。
では、キスは不貞行為として離婚事由になるのでしょうか。不貞行為の意味について刑事事件弁護士と考えてみましょう。

「不貞な行為」とは、どのような行為をさすのでしょうか。性行為の場合に限定されるかどうかは解釈の余地があります。性行為以外の性的な行為を含むという考え方もあります。しかし裁判では一般的に、「不貞な行為」とは、配偶者のある者が自由な意思に基づいて、配偶者以外の異性と性的関係を持つ行為、つまり性行為があったことを意味するとされています。プラトニックな浮気や、キスだけにとどまっている場合は、不貞な行為があったとして離婚を求めることは難しいのです。
では性行為を一回しただけでも、離婚の原因になってしまうのでしょうか。裁判所は、一度の性行為だけで離婚を認めることはまずありません。二カ月に及ぶ異性関係について「一時の迷と考えられぬことはない」として、不貞行為の成立を否定した例もあります。
さらに、不倫相手との継続的な性行為などの不貞な事実がある場合でも、ただちに離婚が認められるわけではありません。裁判所が「一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは」、離婚請求が棄却されます。例えば、不貞行為があっても夫婦関係が破綻するに至らなかったか、破綻したが回復する見込みがある、若しくは、不貞を許した場合などです。
ただし、たとえ一回の性行為であっても、またはキスであっても、信頼関係を喪失したと考え、夫婦関係を続けていくことが不可能な場合には、「婚姻を継続し難い重大な事由」があるかどうかが検討されることになります。もっとも、「重大な」とあるように、共同生活が到底無理であるといえる程に夫婦関係が破綻していなければ、裁判所には認めてもらえません。

刑事事件弁護士の一言

キスだけか、何回性行為をしたか

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