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いきなりの裁判提起でノーコメント

片山さつき大臣のスキャンダルが文春砲で報じられた。
口利きによる収賄疑惑に始まり、ついには公職選挙法違反疑惑までも出てきた。
片山大臣は当初の報道に対してすかさず、名誉棄損で提訴。
「裁判中でコメントできない」とした。

裁判に持ち込んで賞味期限切れを図る

裁判中の事件についてコメントすることは適切ではないし、
コメントをしないことは是認される。
裁判中にペラペラしゃべるのは例外的なケースで、
負け犬の遠吠え的な扱いをされることも多い。
裁判提起を戦法として利用し、代理人弁護士に一任したとしてノーコメントを貫く。
裁判は１年以上かかるので、判決までにはほとぼりも冷めている。
塩漬けにして賞味期限切れを図る。

続報があるかどうか

今回は沈静化しなかった。
続報が続出しているからである。
裁判書面と矛盾する証拠が出てくる。
新たなスキャンダルが出てくる。
全て最初から用意されたネタが、小出しにされている。
種火が消えずに長く持つと炎上は続く。
最初の提訴はもう少し待ってもよかったのではないか。
続報はあるか、どの程度つかんでいるかを見極めることは重要である。
不当報道を訴えるのはよいが、拙速はいけない。

その後の評判を気にする必要性

訴訟提起で塩漬けにして賞味期限切れを図ることは、有効な戦法である。
ただし賞味期限切れ後に、評判を気にする必要があれば話は別。
すなわち賞味期限は切れていない。
先延ばしにしても引き続き、スキャンダルを追及される状況では、意味はない。
裁判提起によらずとも、クリンチで乗り切ることも同じ塩漬け効果はある。
最後は世論を上回る力と、居直る度胸が必要になる。

• 2018-11-13
• [CATEGORY]：危機管理の弁護士ブログ
• [TAG]：マスコミ対応,政治家,不祥事
• [AUTHOR]：危機管理の弁護士長谷川裕雅