不倫・離婚・DV 危機管理・不祥事対応の弁護士相談は永田町法律税務事務所へ|危機管理.com

    [CATEGORY]:不倫・離婚・DV

社内不倫がバレて「クビ」を通告されたらどうするか。[POSTED]:2018-07-10

[ 問 題 ]Q19 社内不倫がバレて「クビ」を通告されたらどうするか。
不正解答え:『 B.不当解雇だと訴える。 』
理由:私生活上の行為なので、不倫でも普通は懲戒解雇まで認められません。
正解!答え:『 B.不当解雇だと訴える。 』
理由:私生活上の行為なので、不倫でも普通は懲戒解雇まで認められません。

facebook が「命取り」

D男は営業部の課長。専業主婦の妻と中学一年の娘、小学五年生の息子がいます。休日は、息子のサッカーの応援やオートキャンプに出かけ、家族サービスに勤しんでします。家庭は大切にしているし居心地も良い。しかし甲斐性ゆえに、女性を求めるのは彼もまたほかの男と同じでした。
隣の課のG子は、大学時代からの腐れ縁の夫と結婚しましたが、まだ子供はできていません。十年も付き合った末にけじめ婚で籍を入れたものの、夫には物足りなさを感じています。
D男とG子はダブル不倫をしていました。
仕事後、いつもの場所で待ち合わせ、一緒に食事をとりホテルへ。メールや電話は必要以上にしない。土日はそれぞれの家で過ごす。互いに家庭があるから深入りしない。誰にもバレなければ問題ないですし、双方同意の下で性行為をしているのですから、刑事事件にも発展することはなさそうです。

二人の関係は始まって一年が経ちますが、社内で気づいた者はいません。互いの家族も気づいていないようです。慎重に行動していたはずですが、二人の関係は意外なところからバレました。
D男はグルメブログを書いていました。もちろん仮名で。しかし、D男を知る人が読めば、特定は容易です。備忘録として記していたので、D男はブログを書いていることを口外していませんでした。
G子はfacebookをやっていました。行った場所、食べたものなどを写真付きで公開していました。
G子と同じ課のN子もfacebookをやっていました。G子のアップしたイタリアンレストランの記事を見て、次の女子会の候補にと、店名を入力して検索しました。公式HPの次順位に検索されたグルメブログを何の気なしに見てみると、G子と同じ日に同じ店に行き、同じ料理の写真をアップしていることに気づきました。
にわかにN子は興味を持ちました。ブログの過去記事を遡って、G子のfacebookの投稿と照らし合わせたところ、なんと全く一致していることがわかりました。
「もしかして、G子のご主人のブログなのかしら。」
N子は、グルメブログを端から端まで読んで、このブログの作者を突き止めました。
「あぁ、そういう事ね。G子とD男課長は不倫してるんだ。」
よりによってN子にバレたことは運が悪かったのです。「放送局」の異名を持つN子は、噂好きで有名です。次の日には、D男の課とG子の課の全員の知るところとなり、部長の耳にも入りました。D男とG子は別々に呼び出され、社内の風紀を乱したとして、懲戒解雇を告げられました。

「懲戒解雇」はかなりハードルが高い

不倫を理由とする懲戒解雇は許されるのでしょうか。
男性社員と女性社員の不倫によって会社に悪影響を及ぼしたことを、具体的、客観的に会社が証明できなければ、懲戒解雇は許されません。職場における不倫は、私生活上の行為と考えられるからです。
しかし例外として、会社の社会的評価に重大な悪影響を与える場合には、企業秩序違反として懲戒解雇の対象となり得ます。実際に特殊な職場環境では、懲戒解雇が有効とされた事例もあるようです。
バス会社の妻子ある運転手が未成年のバスガイドと不倫をして妊娠させた事件では、懲戒解雇が有効とされました。この事件では、バス事業における運転手とバスガイドの職場環境の特殊性が考慮されたといわれています。

不倫を理由とした解雇の有効性が裁判で争われた事件では、「会社の社会的評価におよぼす悪影響が相当重大であると客観的に認められる場合」には、懲戒処分が有効とされています。不倫が、現実に悪影響を与えていなくても、これから悪影響を及ぼすことが明らかであれば、懲戒処分が許されることになります。
例えば社内外で不倫の噂が広がり、会社の評判を落とした場合や、夫に不倫をされた妻が職場に乗り込んできて大混乱になった場合には、業務に支障をきたすこととなって、場合によって懲戒解雇も有効になる可能性があるのです。

ダブル不倫は男の方が悪い?

社内ダブル不倫についての裁判例があります。
事務員として勤めていた女性X子と、同じ会社に勤める課長の男性Y男がダブル不倫をしていました。妻の不倫に気づいたX子の夫がY男に対して損害賠償請求をし、負けじとY男の妻もX子に対して損害賠償請求をしました。
X子の夫は、「Y男が誘惑して不倫関係に陥り、その後、暴行脅迫によってX子に無理やり関係を継続させた」と主張し、Y男とその妻は、「X子が淫蕩的な言辞を弄してY男を誘惑した」と反論をするという、泥仕合となりました。
裁判所は、Y男に対し「X子の夫に対して100万円払え」、X子に対し「Y男の妻に対して50万円払え」という判決をした。

ダブル不倫であればどちらに責任があるとは一概には言えないようにも思われますが、結論に差が生じたのはなぜでしょうか。
損害賠償額を算定する際には、被害者の苦痛の程度、被害者の財産状態、被害者の職業、社会的地位、年齢、結婚の期間、子供の有無、浮気の原因、浮気の態様、浮気の期間、それにより離婚したか否かなどが考慮されます。社内において上下関係があるような場合、責任は五分五分と判断されない可能性もあるのです。部下と付き合っている上司は気を付けるべきでしょう。

浮気相手と良好な関係が続いている間は、浮気相手の女性から「強姦された」と主張されて刑事事件となることはないのかもしれませんが、
浮気相手との関係にヒビが入ったり、浮気相手の配偶者に関係がバレてしまったりした場合には、浮気相手の女性が掌を返したように態度を急変し、「上司という地位を利用して無理やり性行為をさせられた。自分の上司だから断ることができなかった。合意がないから強姦だ」と主張してくることも考えられます。そうすると、強姦の刑事事件として逮捕されたり、取り調べを受けたりする可能性も出てきます。会社との間の懲戒解雇の問題を抱えると同時に、刑事事件への対応考えなくてはならなくなるのです。刑事事件については、刑事事件弁護士に依頼して、逮捕阻止の活動をしたり、浮気相手と示談交渉をしたりすることになりますが、刑事事件弁護士との示談交渉には浮気相手の配偶者も口を挟んでくるでしょうから、なかなか困難な交渉となることが予想されます。また、刑事事件の被疑者という立場に立たされることになりますから、「会社の社会的評価におよぼす悪影響が相当重大であると客観的に認められる場合」に該当すると判断されて懲戒解雇となってしまう可能性も高まります。

刑事事件弁護士の一言

会社に重大な実害があるかどうか。

ページトップへ戻る

不倫・離婚・DV』のその他の記事

浮気相手を好きになった。夫と離婚できるか。
[ 問 題 ]Q48 浮気相手を好きになった。夫と離婚できるか。 A.夫に慰謝料を払えば離婚できる。 B.10年間、夫と別居すれば離婚できる。 C.浮気した側から離婚は請求できない。 不正解答え:『 B.10年間、夫と別居すれば離婚できる。 』 理由:離婚の原因を作った側からの離婚請求が認められるのは、夫婦関係が破綻している場合です。別居の場合、約10年の別居期間が目安となります。 正解!答え:『 B.10年間、夫と別居すれば離婚できる。 』 理由:離婚の原因を作った側からの…...
[ 危機管理における男女トラブル , 不倫・離婚・DV ]
    夫婦間で「傷害罪」は成立するか。
    [ 問 題 ]Q46 夫婦間で「傷害罪」は成立するか。 A.成立する。 B.成立しない。 正解!答え:『 A.成立する。 』 理由:夫婦でも怪我をさせれば傷害罪が成立します。 不正解答え:『 A.成立する。 』 理由:夫婦でも怪我をさせれば傷害罪が成立します。 「二度と友達に会うな。」 A子は厳格な父と貞淑な母の下に育ちました。父は九州男児で亭主関白そのものという夫でした。父が「飯」「風呂」と言えば、母はすぐに準備をし、出した料理が気にくわなければ、遠慮なく「まずい」と言…...
    [ 危機管理における男女トラブル , 不倫・離婚・DV ]
      夫が他の女性とキスをしていた。離婚できるか。
      [ 問 題 ]Q45 夫が他の女性とキスをしていた。離婚できるか。 A.離婚できる。 B.離婚できない。 不正解答え:『 B.罪にならない。 』 理由:性行為がなければ、不貞行為にあたらないので離婚できません。 正解!答え:『 B.罪にならない 』 理由:性行為がなければ、不貞行為にあたらないので離婚できません。 「ほんとかわいいなー。チュー。」 今夜は会社の忘年会でした。上司と席が離れていたのを良いことに、一年の憂さ晴らしとばかりにW男は久々に酔っぱらいました。挙句、情…...
      [ 危機管理における男女トラブル , 不倫・離婚・DV ]
        妻子ある上司が「妻とは別れて君と結婚する」と指輪もくれたが、結婚してくれない。
        [ 問 題 ]Q34 妻子ある上司が「妻とは別れて君と結婚する」と指輪もくれたが、結婚してくれない。 A.損害賠償を請求できる。 B.損害賠償は生じない。 C.損害賠償を請求される。 不正解答え:『 C.損害賠償を請求される。 』 理由:不倫は法的に保護されません。 不正解答え:『 C.損害賠償を請求される。 』 理由:不倫は法的に保護されません。 正解!答え:『 C.損害賠償を請求される。 』 理由:不倫は法的に保護されません。 「訴える? 自分の立場わかってるの…...
        [ 危機管理における男女トラブル , 不倫・離婚・DV ]
          「不倫を妻にバラすぞ」と脅された。相手を脅迫で訴えられるか。
          [ 問 題 ]Q21 「不倫を妻にバラすぞ」と脅された。相手を脅迫で訴えられるか。 A.脅迫罪が成立する。 B.脅迫罪にはならない。 C.ケースバイケース。 不正解答え:『 C.ケースバイケース。 』 理由:相手から積極的に告知されていたかどうかによります。 不正解答え:『 C.ケースバイケース。 』 理由:相手から積極的に告知されていたかどうかによります。 正解!答え:『 C.ケースバイケース。 』 理由:相手から積極的に告知されていたかどうかによります。 「妻と別…...
          [ 危機管理における男女トラブル , 不倫・離婚・DV ]
            人妻との不倫はなぜ「非常に危険」なのか(理由として間違っているものを選べ)。
            [ 問 題 ]Q20 人妻との不倫はなぜ「非常に危険」なのか(理由として間違っているものを選べ)。 A.高額の慰謝料を請求されるから。 B.強姦罪(無理やりセックスを行った罪)で訴えられるから。 C.姦通罪(既婚女性とセックスを行った罪)に問われるから。 不正解答え:『 C.姦通罪(既婚女性とセックスを行った罪)に問われるから。 』 理由:現在の法律では不倫自体は罪になりません(姦通罪は1947年に廃止)。 不正解答え:『 C.姦通罪(既婚女性とセックスを行った罪)に問われる…...
            [ 危機管理における男女トラブル , 不倫・離婚・DV ]
              ページトップへ戻る

              他にはないサービス。無料相談は原則、受け付けません。

              無料相談を掲げる法律事務所とは一線を画し、価格競争はせず、報酬に見合う良質なサービスを提供しています。他の弁護士事務所にできないミッションを達成し、紛争解決に集中してリソースを割くために、相談対象を紛争性がある危機管理事件に限定しています。
              「内容証明が届いた」「対立当事者に弁護士が就いた」「調停・裁判中」「調停・裁判目前」「弁護士を替えることを検討中」など、紛争性が顕在化している方は無料電話相談(初回15分)・無料メール相談(1往復のみ)・土日夜間の電話無料相談(初回15分)で対応します。

              来所ビデオ通話電話・メール・土日夜間
              内容証明が届いた事件1時間:
              12,000円税別
              ※来所困難な方に限り、
              1時間30,000円税別にて
              電話相談に応じます。
              1時間:
              62,000円税別
              電話:初回15分
              メール:初回1往復
              土日夜間:初回15分
              無 料
              対立当事者に弁護士が就いた事件
              調停・裁判中、調停・裁判目前の事件
              弁護士を替えることを検討中の事件
              その他、紛争性がある事件
              (潜在的なものも含めて)
              非対応
              来所ビデオ通話電話・メール・土日夜間
              内容証明が届いた事件1時間:
              12,000円(税別)
              ※来所困難な方に限り、1時間30,000円(税別)にて電話相談に応じます。
              電話:初回15分
              メール:初回1往復
              土日夜間:初回15分
              無 料
              対立当事者に弁護士が就いた事件
              調停・裁判中、調停・裁判目前の事件
              弁護士を替えることを検討中の事件
              その他、紛争性がある事件
              (潜在的なものも含めて)
              非対応

              ※お電話やメール、土日夜間の電話相談は、「内容証明が届いた」「対立当事者に弁護士が就いた」「調停・裁判中」「調停・裁判目前」「弁護士を替えることを検討中」など、紛争性が顕在化している危機管理事件に限定して、簡略なアドバイスを差し上げる限度で提供しています。メール相談電話相談または土日夜間の電話相談よりお問い合わせください。

              ※一般的な法律知識については、お電話やメールでのお問い合わせを受け付けておりません。
              一般的な法律知識に関する情報は危機管理大全でご案内していますので、こちらをご利用ください。

              来所予約・お問い合わせ
              03-5532-11129:00~19:00 土日祝日除く※お電話又は予約フォームにて法律相談のご予約をお取り下さい。
              ※小さなお子様の同伴はご遠慮ください。