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    [CATEGORY]:危機管理における男女トラブル

室内で、複数のカップルが性行為をするパーティは違法か合法か。[POSTED]:2018-07-10

[ 問 題 ]Q10 室内で、複数のカップルが性行為をするパーティは違法か合法か。
正解!答え:『A.違法。』
理由:公然わいせつ罪が成立します。
不正解答え:『A.違法。』
理由:公然わいせつ罪が成立します。

「警察だ。そのまま動かないように」

F男は『大人の社交場』というサークルを運営し、ホームページを開設しています。『大人の社交場』とは、インターネットで参加者を募り、人里離れたロッジを借りて乱交パーティを催す会です。
ホームページではまず、18歳未満に対して退場を促す表示がされています。18歳以上である確認ボタンをクリックすると入場できますが、身分証明書などによる認証がされているわけではありません。コンテンツは、過去の『大人の社交場』の報告と、今後の大まかな開催予定で構成され、個人情報は伏せられています。
『大人の社交場』に参加するためには会員になる必要があり、氏名・年齢・性別・職業・メールアドレスを記入し、会則に同意するにチェックした上で、管理者F男へ送信して登録をします。
会員ページは、参加者の生の声や、今後の要望等の書き込みが充実しています。次の『大人の社交場』の予定は会員ページ限定で公開され、参加フォームで申し込むことになります。

F男は次の『大人の社交場』を、一カ月後に富士山ほとりのロッジで催すこととしました。東京駅集合で、チャーターしたバスで移動する予定です。参加者は男女15名ずつ。夫婦での参加も三組ほどいるようです。当日改めて、自分の意思で参加する旨の同意書に記入を求めました。ロッジは湖のほとりにあり、周囲のロッジに宿泊客がいないことは事前に確認済みです。
ロッジに着いたところから会はスタート。参加者は思い思いに交わり楽しんだ。ただし、ロッジからは出ないこと。ロッジのカーテンは全て閉めておくこと。相手の嫌がることはしないこと、それだけがルールです。

夜も更け、宴もたけなわに参加者全員が全裸になり性行為を楽しんでいたところ、玄関の扉が開きました。
「警察だ。そのまま動かないように。」
ロッジの周りが明るくなりまし。どうやら大勢の警官に囲まれているようです。F男のホームページを見た元会員が、警察に通報したことは後でわかりました。トラブルを起こし、サークルを追われていたメンバーだったのです。
会員制で参加者から同意書を得ているし、周囲にも迷惑をかけていないにもかかわらず、罪になってしまうのでしょうか。F男は、特に刑事事件弁護士に『大人の社交場』の問題点を確認することはしていませんでしたが、まさか刑事事件に発展するとは思ってもいませんでした。

「密室」でも「公然」

カップル喫茶という性風俗があります。カップルで入店した者同士が、お互いの性的な行為を見せ合うことができる店をいうようです。店内は複数の区画(客室)に分けられているものの、仕切りは壁面をくりぬいたり観葉植物を置いたりして、それぞれの客室から別の客室の様子が容易に見えるようにしてあります。ハプニングバーと呼ばれる店もあります。刑事事件として逮捕者が出て有名になりましたが、性的な行為が突然始まって、客同士で突発的行為を楽しむバーのことです。
これらの店でわいせつ行為を行えば、刑事事件として公然わいせつ罪が成立します。

道路で裸になった場合に公然わいせつ罪が成立することには違和感がないかもしれませんが、カップル喫茶やハプニングバーでエッチなことをして公然わいせつ罪になってしまうのはなぜなのでしょうか。店内という密室なのに「公然」と評価されてしまうのか疑問に思う方も多いでしょう。

刑事事件弁護士が解説しますと、公然わいせつ罪の「公然」とは、「不特定または多数人が認識し得る状態」をいいます。認識する可能性があれば公然といえるのです。実際に公衆の面前であることは要求されていませんし、現実に不特定又は多数人が認識していたことも必要ではありません。行為の最中にたまたまその場に人がいなくても「公然」といえるのです。少人数であってもそれが不特定であれば「公然」に該当し、特定していても多人数であれば「公然」に該当します。
夜間一定の部屋を密閉し、不特定多数の人を勧誘して集まった数十名の客の面前でわいせつな行為をした刑事事件の事例において判例は、不特定の客の面前である以上、たとえ夜間一定の部屋を密閉してなされたとしても公然わいせつ罪が成立するとしました。
通行人を誘って旅館の一室で性行為の実演を観覧させた刑事事件でも、公然わいせつ罪が成立するとされました。

四人でも「公然」

乱交パーティについてはどうでしょうか。50人規模で開催された乱交パーティや、数人規模で開催されたホテルのスイートルームやマンションの一室での乱交パーティで、逮捕者が出た刑事事件がありました。50人規模の事件はともかく、マンションで裸になっていたとされた人数はたったの四人。四人でも「公然」になるのでしょうか。

インターネットを使って参加者を募集することは「不特定」とみなされますし、実際に現場に五、六人もいれば「多数」とみなされています。住所氏名を管理した会員制組織であれば閉鎖されたコミュニティではないかとも思われますが、会員を募っている以上、「不特定」とみなされる可能性はあります。
いずれにせよ、もし参加したいなら、リスクを認識したうえで、参加するべきパーティである。参加する前に、刑事事件弁護士にパーティの違法性や問題となり得る点を確認して、覚悟を決めてから参加する方が無難かもしれません。

刑事事件弁護士の一言

ネットで集まったかどうか。

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