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    [CATEGORY]:危機管理における男女トラブル

誰もが当事者となりうる刑事事件・男女トラブル[POSTED]:2018-07-11

A男は不動産会社のやり手営業マン。ここ数年連絡を取っていなかった大学時代の友人M男から電話がありました。
勤務先の都市銀行から派遣されて米国留学に出発するとのこと。留学前の挨拶で電話してきたようでしたが、会話は弾み出身大学で起きた大事件に及びました。
大学の元公認サークルのメンバーらが多数の女子大生を集団強姦していた刑事事件です。

大学に入学したばかりの一年生の春に、合コンでA男そのサークルのリーダーであったD男と出会いました。雨の降る日の夕方だったと思う。
大教室の授業を受けていると、仲の良いM男に話しかけられました。「友達に誘われた合コンにこれから行くのだが、男のメンバーが二人足りない」とのこと。隣で授業を受けていたクラスメートを誘い、合コンに参加しました。至って普通の飲み会でした。
一次会の場所で午後11時近くまで飲み続け、女の子が遠方に住んでいたために、早めの散会になりました。男の幹事D男はA男と同じ学部の新入生同士だったため、その後もキャンパスで何度か顔を合わせました。
D男が話したことでA男が覚えているのは、四年で卒業するつもりはないこと、イベントサークルを立ち上げるつもりであることくらいです。A男はD男と顔を合わせるたびに立ち話はしましたが、知人以上、友達以下の関係でした。
いつの間にか、キャンパスでD男を見かけることはなくなりました。

大学を卒業して数年がたったとき、例の刑事事件が報道されました。クラブイベントではしゃぎながらピースサインをする被疑者がテレビに映っていました。10年近くの年月がたち、頬がふっくらとしてはいたが、D男だとすぐに分かりました。地黒の肌に、吊り上った細い目、笑った時の口の動きは変わっていません。
刑事事件では、他大学の学生を含めて多数の関係者が逮捕されました。
先ほどの電話の際にM男に聞いたことですが、D男とM男はその後も交友が続き、件のサークルのビラまきをM男が手伝ったこともあるとのこと。M男は学部時代にもニューヨークに留学しており、留学をきっかけにD男との関係が切れたそうです。M男とサークルとの関係は結局、ビラまきを数回手伝った程度だそうです。
「あのままサークルに入っていたら、俺も刑事事件で逮捕されたかもしれない。」
エリート銀行員M男は冗談で言ったのしょうが、人生はわかりません。自分がビラまきを手伝ったサークルが、忌まわしい刑事事件を起こすとは、M男も予想していなかったでしょう。この話を聞いて、A男もぞっとしました。立ち話のついでにサークルに誘われて加入していたら、自分だって刑事事件の被疑者になっていたかもしれない。刑事事件弁護士にすぐさま相談しようという知恵もなかっただろうから、突然の逮捕に絶望していただろう。今の地位や生活は手にしていなかっただろうな。

真面目なサラリーマンが強盗殺人刑事事件の被疑者になる事件は寡聞にして聞きません。
しかし、エリートが性犯罪の被疑者になる事件は、山ほどあるのです。
どんなに普段は真面目な人間でも、性欲という極めて人間的な欲求とは、無縁でいられないからでしょうか。
刑事事件にならないまでも、女性から損害賠償請求を起こされる男性も多くいます。逆に男性から訴えられる女性もいます。
彼らは普通の男性や普通の女性です。
世の中に男と女がいる限り、男女トラブルは、永遠に亡くならないでしょう。極めて日常的で、かつ、深いテーマといえます
突然、当事者になりかねない刑事事件や男女トラブル。間違った理解や俗説にとらわれることなく、正確な知識を身に付けておく必要が誰にでもあります。

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