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報道されにくい刑事事件[POSTED]:2018-07-30
精神障害者の起こした刑事事件については報道されにくい傾向にあるようです。
精神障害者については、心神喪失で「刑事責任能力」が全くないと判断され不起訴処分、無罪判決となる可能性がありますし、精神障害者や知的障害者による犯行と報道することで、障害者に対する偏見や差別を助長する恐れがあるからです。
2001年4月30日に台東区の路上で、レッサーパンダの帽子をかぶった若い男が短大生を包丁で刺し、死亡させた事件については、世間に衝撃を与えた刑事事件であるにも拘わらず、報道が控えられました。事件直後には、レッサーパンダの帽子という装いの異様さに注目したマスコミ、特に週刊誌は、この事件を大々的に取り上げようとしましたが、被疑者が障害者であると判明した後は取上げることを自粛しました。
また性犯罪は報道されない傾向にあります。刑事事件の詳細(いつどこで何を)を明らかにすることで、被害者のプライバシーに関わる問題となるためです。
なお、突然の首相の辞任や、未曾有の災害の発生などによって、報道を予定していた事件が全てとんでしまうということもあります。新聞には紙面の紙幅、テレビには放送時間という制約があるからです。他の事件とのバランスにもよるということです。結果として選挙投票日の紙面は、通常の事件が非常に掲載されにくくなります。
事件が報道されるか否かは、他の事件や社会情勢とのバランスにもよるのです。
上記記載は、朝日新聞事件報道小委員会著「事件の取材と報道2012」(朝日新聞出版)を参照しています。同書は、報道機関自らが事件報道の原則について書面で明らかにしたもので、一般に入手できるほぼ唯一といってよい貴重な資料です。本稿は同書を適宜引用することで、マスコミの事件報道の基準を理解する一助にしています。
もちろん一報道機関である朝日新聞社の基準であり、他社の基準は一律に同様ではありません。全国紙で掲載ハードルが低いと言われている新聞も複数あります。
マスコミ報道の仕組み
マスコミ報道の流れはおおむね以下のとおりです。
- 事件発生
- 警察の広報担当が記者クラブ加盟各社にFAX重要事件は「レク」と呼ばれる記者会見
- マスコミ各社が掲載についての判断
- マスコミ各社が追加事実を警察の広報に取材重要事件は”夜討ち朝駆け”
- 掲載
この一連の流れが事件発生から翌日の朝刊が発行されるまでの間に行われます。
週刊誌を発行する出版社は記者クラブに加盟していないので、警察広報から情報をもらえません。そのため、重要事件で週刊誌が取材する場合は、まず全国紙記者に取材をすることもあります。全国紙では書けない内容でも、週刊誌であれば記事にできることもあります。
なお、警察が記者クラブに発表することを許されている根拠については、国家公安委員会が定める規則、犯罪捜査規範25条が、事件について報道機関に発表を行う権限を、「各県警察本部長、捜査本部長またはその指定する者」に与えているからです。
報道のタイミング
報道されるタイミングとして最も可能性が高いのは逮捕時です。
「●したとして、●署は●日、●を逮捕した。」という文章で始まるもので、「逮捕原稿」と呼ばれます。
逮捕時に報道されない場合は通常、そのまま報道されない可能性が高いです。逮捕直後でなければ事件としての鮮度は落ちてしまいますので、掲載がされにくくなります。しかし他に重要な事件がなく紙面を割くことができるような場合や、事件の関係者に芸能人・政治家等のネームバリューがある場合には、例外的に逮捕直後でなくとも報道されることがあります。
逆に、逮捕時に重要事件として報道されてもその後の事情により続報が報道されなくなる場合もあります。後から被疑者に精神疾患があることが分かった場合などです。
通常のニュースソースは警察発表です。しかし、事件について警察の広報担当から知らされる場合でなくとも、記者の知り合いが事件関係者であったり、被害者がマスコミにリークしたりして、逮捕から時間が経ってからマスコミが事件を把握することもあります。その場合に報道価値がある事件とマスコミが判断すれば、タイミングに関係なく報道されることになります。
『報道の基準』のその他の記事
- 出版禁止の仮処分
- 名誉・プライバシー権が侵害される内容の記事が掲載されることが分かった場合、裁判所に出版物の差し止めを請求することができます。この請求は仮処分という手続きによって行われます。こんな記事が予定されているらしいという記事内容のはっきりとした特定ができない中で、準備の進んでいる出版を中止させようとする極めて緊急性の高い状況で申し立てます。申立て自体がそのままストレートに認められるというよりも、事実上の掲載中止に間に合えば、結果として差し止めと同じ効果が期待できます。出版社によってはなかなか頑として一歩も…...
- 記者会見を開く
- 不祥事が発覚してから記者会見を開く場合、通常謝罪会見になります。謝罪・報告(被害状況・安全性等の調査結果)・再発可能性・処分などについて、世間の反感を買わず、できれば好感と支持を得られるような会見を開くにはポイントがあります。もちろん記者会見を受ける義務はありません。記者会見をする方もいれば、記者会見をしないで済ませる方もいます。メディア戦略を意識しなくてもよい場合、世論の支持を活動の基盤とする必要が無い場合、引退して世間の目に触れない形での仕事に転身するなどの場合は、記者会見をしてリスクを負う…...
- 取材対応
- (1)取材対応について 危機管理・不祥事危機対応において取材をするのは生身の人間です。対応次第でその後の記事化の有無や中身が変わって来ることがあります。突撃取材を受けたときなど、人間力が一番試されます。記者同士の話をしていても、決まって嫌われるのは特定の方に集中します。スキャンダルが起きるときには、ここぞとばかりにたたかれますし、週刊誌などは特定の人物に常に狙いを定めています。マスコミの取材に対する対応次第で危機管理・不祥事危機対応ができるのです。マスコミからの問い合わせ一切に対しては、弁護士が…...
- プレスリリースを発表
- (1)プレスリリースとは プレスリリースは危機管理・不祥事危機対応において、会社として公式に発表する時に必要な文書です。不祥事対応における守りの広報で、更なる炎上を予防します。事件・事故・不祥事などで公式見解の表明や記者会見が必要な場合は特に慎重に作成する必要があります。 沈黙を貫くこともありますが、ときには積極的に反論し、法的措置をとることも明記します。第一報が報道された直後に適切な反論を速やかにすることで、スキャンダルが収束することもあります。プレスリリースの作成は、弁護士の仕事です。弁護…...
- ポジション・ペーパーの作成
- 緊急事態発覚後、事実関係を客観的に示す文書です。「公式見解」「統一見解」「声明文(ステートメント)」ともいいます。企業不祥事対応では多用されていますが、個人の場合でもポジショニング・ペーパーを意識したプレスリリースの作成が重要です。事実、経過、原因、対策、見解を1、2枚程度の紙にまとめます。団体構成者やマスコミに配布し、プレスリリース、記者会見時の原稿、想定問答集、ネガティブリスト、関係者への説明書等を弁護士が作成します。記者からの想定質問を意識して作成すべきで、文書化することにより質問を減らす…...
- 弁護士名のFAXで対応する
- 弁護士名のFAXを送付することにより、言い分を主張すると同時に、不当な報道をけん制する効果があります。 極めて初期の段階から弁護士名の回答書を送付するタレント事務所もあります。...
- 外部への情報漏えいパターン
- 情報発信源が外部 1.記者からの問合せや単独取材申し込み …電話が多い 2.一般人から一方的にタレこみ …電話だけでなくFAX、メールの場合も 情報発信源が内部 1.内部告発 2.関係者が記者との面談で口を滑らせた 3.多数人の関与により、重要性の認識の甘い関係者から噂的に漏洩 4.利害関係人による意図的・悪意的なリーク 5.内部関係者による重要書類・データ等の持ち出し 外部が得る発信源ごとの情報について 漏れている情報想定される情報源 捜査情報、裁判情報、行政処分、…...
- 対応策
- 会社や学校からの事情聴取に対しては、冤罪であるとの一点張りで通しつつ、検察官の取調べに対しては自白して素直な供述態度で臨み、反省を示すことによって不起訴処分を狙う方もいるようです。供述内容が一見矛盾しているようですが、通常検察官が取調べ状況について会社や学校へ情報開示することはありません。不起訴処分さえ取れれば、不起訴処分告知書を会社や学校に提出することによって解雇・退学処分を免れることは大いに考えられます。しかし事件の結末を見届ける前に処分を決めようとする会社・学校も多いので、必要なことを説明…...
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