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    [CATEGORY]:反社会勢力・クレーマー対応

口裏合わせのうまい話し[POSTED]:2018-07-27

知合いから、その人が経営する会社と当社が取引していると口裏を合わせてもらえれば謝礼をする、といわれました。口裏を合わせるだけなら取引上の債権・債務が生じることはないと思うのですが、いかがでしょうか。なお、その会社の会社案内には、当社の名前が取引先として記載されていました。もちろん、これは虚偽記載です。

1.知人の狙いは何か

まず考えるべきことは、実際には取引がないにもかかわらず、知人がなぜそのようなことを言ったのかについて理由を考えることです。
知人がこのようなことを言ってきた理由として考えられることは、知名度や社会的な信用がある会社と取引関係にあるということを対外的に印象付けることで、業界内または社会的な信用を得ることが目的であった可能性が高いです。ましてや謝礼まで出すと言って依頼してきているので、知人の真意を考えることが必要です。
知人は、このことによって業界や社会の中で信用を得て、新たな取引先から商品を購入することや、取引先以外の業者から商品を購入するなどして、その代金を支払わないというケースが考えられます。あるいは、もっと複雑なカラクリがあったり、知人の背後に暴力団関係者がいて、大がかりな不正にかかわる取引を目論んでいる可能性もあります。
または、暴力団関係者がこのような不正な取引を聞きつけ、あなた自身の会社に対して責任を追及し、不当な要求をしてくることも考えられます。

2.どのような問題があるか

企業的モラルの点からみても架空の事実に対して口裏を合わせることは、好ましいとはいえませんが、法律的にみても問題が生じるおそれがあります。会社の規模などにもよりますが、会社法によって、会社の業務の適性を確保するための体制(内部統制)の整備(会社法362条4項6号)が求められているので、この事案のように架空の事実に口裏を合わせることが取締役の善管注意義務違反にあたる可能性もあります。

知人はこちらの会社の知名度を利用しようとしていることは明らかであり、知人の会社がなにかしらの取引により、こちらの会社が何らかの形でトラブルに巻き込まれる可能性もあるといえます。

また、知人の会社が新たな取引先から商品を購入したが、代金を支払わなかった場合、新たな取引先から知人の会社について問われることもあります。
場合によっては、刑事的では詐欺罪、民事的には被害を被った取引先から損害賠償の責任を問われることも考えられます。

結果的には法的な責任に問われなかったとしても、トラブルに巻き込まれることは避けられないことで、さらに暴力団に架空の事実の口裏を合わせたことを知られれば、これを口実に不当な要求をしてくることも考える必要があります。
暴力団にとっては、不当な要求をする口実はなにであってもよいと考えているので、会社の知名度が高ければ高いほど、暴力団の標的として狙われます。

3.結論―虚偽記載への対応策も

以上のことを踏まえて考えると、知人の申出は断固として断ることが大切です。
また、会社案内の虚偽記載は、配達証明付内容証明郵便によってすぐに抹消するよう請求することが重要です。

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