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    [CATEGORY]:危機管理における法的責任

逮捕阻止を目指す[POSTED]:2018-07-10

(1)逮捕の要件

逮捕されるかどうかは逃亡のおそれと罪証隠滅のおそれによって決められます。
社会的地位のある方の場合は、逃亡の恐れが低いと考えることができるので、捜査機関との交渉をしてみる価値があります。
逃亡のおそれが無いこと、証拠隠滅のおそれが無いことを弁護士が書面で主張して証明します。弁護士が必要な書類を作成し、身元引受書も作成します。
逮捕は逮捕状を持ってくる場合もありますが、任意で呼び出しておいて逮捕ではないと思わせたうえで、警察で用意した逮捕状を執行することもあります。逮捕と同時に時間制限がスタートしてしまうので、時間をかけて任意の事情聴取をした後で、逮捕状を取ることもあります。
他方で出頭しないという選択をとった場合、逮捕のリスクは上がってしまうのです。
刑事にもそれぞれ個性がありますが、ざっくばらんに話せる場合も結構あります。弁護士が依頼者の事情を説明して逮捕を回避したり、逮捕がやむを得ない場合でもクライアントの仕事にスケジュールに合わせてもらったりすることも交渉により可能であることも。
弁護士で刑事に積極的に働きかける人間はそれほど多くはありませんが、弁護士が可能な限り刑事とコミュニケーションを取ることで依頼者の利益につなげることが重要です。

(2)逮捕による警察の負担の現実

逮捕をすると時間制限が開始します。
「被疑者が身体を拘束された時」から48時間以内に検察官へ書類及び証拠物とともに身柄を送致しなければなりません。さらに、検察官は「被疑者を受け取った時」から24時間以内(かつ身体拘束から72時間以内)に、勾留請求又は公訴の提起をするか、釈放しなければなりません。
逮捕と同時に捜査機関は秒刻みで動かなければならなくなります。
逮捕がなされると、警察署全体に負担がかかります。1人の人間が逮捕されて留置場に入れられると、留置場に入るだけでも身体検査、手荷物記録などの手続きが行われ、数時間かかることもあります。持病があっても薬は外から持ち込めないので警察が病院に連れて行くことになります。入浴は決まった時間にさせなくていけません。食事や就寝時間もあります。取り調べに充てられる時間はそれほど多くはないのです。
検察庁や裁判所へも一斉に移動させますので、警察官の負担は多大なものになります。負担が大きい逮捕を、警察も好き好んでやっているわけではないのです。
1つの警察署の処理能力には限界がありますので、なるべくならば逮捕をしたくはないというのが本音でもあります。
犯罪捜査規範にも「捜査はなるべく任意捜査の方法によって行わなければならない。」(99条)とあり、逮捕は補充的なものとされています。

(3)逮捕されにくい場合とは

① 女性は逮捕されにくい

女性の留置施設は数が少なく、都内であれば湾岸警察署や三田警察、原宿警察などです。逮捕した警察が違う警察署でも、近接した女性用施設のある警察で留置することになります。
留置施設の都合上、女性は逮捕がされにくいという現状があります。
チノパンこと千野志麻(本名横手志麻)氏が逮捕されなかったことに対して、いろいろと議論が起きましたが、もともと女性であることは逮捕がされにくい要因の1つなのです。

② 外国の要人が来日した時は逮捕されにくい

警備にあたる警察官は警務課の警察官ですが、警務課だけではなかなか人数が足りません。
そこで警務課以外の人間も応援に入ります。
取り調べに当たっても、人間がとられてしまうことが多く、人員の制約上、逮捕がされにくいのです。

③ 大災害が起きた時は逮捕されにくい

東日本大震災が起きた時は、こんな大事件でも逮捕されないのかというくらい、逮捕が減りました。福島でも勾留中の被疑者が大量に釈放され、問題になりました。
何かあったときに留置体制を管理しきれないと判断された可能性はあります。

④ 事件が多発しているときは逮捕されにくい

事件が多発していると、留置施設も満員です。留置施設が満員ではなくても、捜査が盛り沢山のときにあえて時間制限のかかる逮捕という手段を選ぶかどうかという問題もあります。

⑤ 年末年始は逮捕されにくい

年末年始は捜査機関の人員体制も、休みで影響を受けます。年末年始は逮捕勾留中の期間をフルに使えません。つまり土日祝祭日が勾留期日に含まれていた場合、事実上、捜査が行われなかったり、決済に関して休日前に前倒しで行われる都合で、捜査に費やせる時間が短くなってしまうのです。

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