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- [CATEGORY]:反社会勢力・クレーマー対応
建設現場の妨害[POSTED]:2018-07-27
当社は、社員寮を建設しようとして工事にとりかかったところ、○○同盟なるものが、「団地内の道路はわれわれの道路である。道路を買い取るか、通行料を支払え」と脅迫するので工事ができません。調査したところ、団地の道路は不動産会社の所有でしたが、最近、○○同盟の代表者名に変更されていました。どうしたらよいでしょうか。
1.道路の法的性格
他人の土地を自己の通行のように供することをできるようにするためには、土地がいずれかのケースに該当する場合になります。
①公道になっている場合
②位置指定道路となっている場合
③通行地役権を有する場合
④囲繞地通行権を有する場合
⑤賃借権・使用賃借権等を有する場合
ただし、道路を通行の目的に使用する権利の内容に関しては、各場合において異なることになります。
2.通行妨害の排除請求
道路の通行使用をする必要がある者が、道路使用において妨害されたときには、妨害を排除することができます。このようなことに関する判例としては、必ずしも網羅的であるとはいえず、さらにケースによっては定着していないこともありますが、多くの判例では、妨害行為の差止請求権を根拠づけるものとして、通行自由権の法理、背信的悪意者の法理、権利乱用の法理等のいずれかを用いることが多いと思われます。
3.設問の場合の対応
通行妨害によって迷惑を被った者が主張する妨害行為の差止請求権の根拠ならびに内容を早急に固め、早く手を打つことが重要です。
具体的な方法としては、通行使用の妨害にあたる一切の行為に対する差止めを求め、仮処分の申立てを行うことが効果的といえます。裁判外での話合いをも必要ですが、こればかりに頼っていては、長い時間を要することになり、実力的妨害行為が既成事実となるおそれがあります。
他人の通行に役立っている道路を個人的に取得するということは、たいてい金銭要求等の何かしらの目的があると考えられます。さらに組織の名称を持ち出してくることは、組織的な目的を達成するための手段であると思われます。
だからといって、このような組織に脅える必要はないのです。背信的悪意者の法理や権利乱用の法理等で法的構成は異なりますが、よほどの例外的な場合を除外して、このような手口による通行妨害においては、排除することができるとされています。
また、本設問のような場合、差止請求だけで終わらせるべきではないと思われます。もちろん差止請求をすることで一応の解決はしますが、組織としては反省もせず、時間が経てば同様の妨害行為を繰り返す可能性があるといえます。
なので、このような可能性を最小限にするためにも、差止請求とともに損害賠償請求訴訟を併用することが望ましいです。
- 2018-07-27
- [CATEGORY]:民暴対策Q&A, 企業編(内勤事務), 反社会勢力・クレーマー対応
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