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    [CATEGORY]:危機管理における男女トラブル

夫婦間で「強姦罪」は成立するか。[POSTED]:2018-07-10

[ 問 題 ]Q47 夫婦間で「強姦罪」は成立するか。
正解!答え:『 A.成立する場合がある。 』
理由:夫婦間でも性交渉を強要すれば強姦罪が成立する場合があります。
不正解答え:『 A.成立する場合がある。 』
理由:夫婦間でも性交渉を強要すれば強姦罪が成立する場合があります。

「こんなの強姦よ。」

B子は、夫と三年間の付き合いを経て恋愛結婚しました。
サラリーマンの夫と専業主婦のB子。決して裕福とはいえませんが、一緒に食卓を囲み、休日は近所のスーパーに連れ立って出かけます。そんな些細な事だけで幸せを実感できました。
「子供は二人欲しいね。10年後にはマイホームを購入したいね。」
決して高望みの夢ではなかったはずでした。しかし、結婚から一年が経過した今、状況は変わってしまいました。
夫は仕事をリストラされました。日々の生活の糧を稼ぐため、嫌々、深夜の工事現場のアルバイトに出かけています。
「こんなはずじゃなかった。」
夫は口を開けば恨み言ばかり。だからといって現状を打破しようという気概は感じられません。
昼間から酒を飲み、B子に性行為を求める。変わり果てた夫に対して、もはや愛情は感じません。体を触られると鳥肌が立つくらいです。
夫は、嫌がるB子の体を押さえつけ、殴る蹴るなどして、無理やり性行為をした。
「こんなの強姦よ。」
B子は思わずつぶやいた。
「夫婦なんだから性行為をするのは当たり前だ!」
吐き捨てるように夫は言いました。

性行為は、拒めば離婚、強要すれば強姦も

夫婦間であっても性行為を強要することは当然許されるわけではありません。状況によっては強姦罪が成立し刑事事件になる場合があります。
ただし、夫婦間の性行為は夫婦生活に伴う健康な営みで、夫婦のあり方として大切なものであるとして、裁判所もその重要性を認めています。むしろ、性行為を拒むことを離婚原因として認める判例も散見されます。ですから、夫婦間において強姦罪が認められ刑事事件になるのは、婚姻が実質的に破綻していたような特殊な場合に限られます。

次の判例について刑事事件弁護士が解説しましょう。夫が妻に対して度々暴力を振っていたことから、耐えかねた妻が実家に戻っていたところ、夫が人とともに妻の実家に現れ、妻を強引に車に乗せ、自宅へ連れ戻そうとしました。その途中、停車した自動車の中で夫と夫の友人が妻を輪姦した刑事事件において、夫についても強姦罪の共同正犯を認めました。婚姻が破綻して、名ばかりの夫婦にすぎない場合には、夫婦間に性行為に関する権利義務はないものとして、夫が暴行または脅迫をもって妻を姦淫したときは強姦罪が成立すると判断しているのです。

夫が同性愛に走ったら

親族間の強姦の刑事事件は少なくないのが現実です。2014年度における強姦事件のうち五.八%は親族によるものであり、内縁を含む配偶者による強姦事件も例年一~七件程度発生しています。夫に強姦されたとして刑事事件弁護士に相談し、強姦の刑事事件として告訴するようなケースも十分にあり得るのです。
性的暴力については、離婚原因である「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当し得ます。配偶者に暴力を振われて、無理やり性行為を強要されればこれに当たることになるでしょう。妻が夫の過度の性欲に応じられないとして断ったことに対して、その都度、妻に対して夫が暴力を加えたケースで、「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するとして離婚が認められています。
他に、異常な性欲、異常な性的嗜好、同性愛なども、婚姻を継続し難い重大な事由にあたるとして、離婚が認められています。婚姻後数カ月して夫が同性愛に走り、妻からの性的要求に応じなくなった事例や、夫がポルノ雑誌に異常な関心を示し、自慰にふけって、妻との性行為に応じようとしなかった事例で、いずれも妻からの離婚請求が認められています。

刑事事件弁護士の一言

「暴力振るって無理やり」性行為をさせられたかどうか。

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