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    [CATEGORY]:危機管理における男女トラブル

酩酊した女性との性行為は法的に許されるか。[POSTED]:2018-07-10

[ 問 題 ]Q7 酩酊した女性との性行為は法的に許されるか。
不正解答え:『 B.女性が合意していてもNG。』
理由:酩酊状態でのセックスは準強姦罪が成立します。
正解!答え:『 B.女性が合意していてもNG。』
理由:酩酊状態でのセックスは準強姦罪が成立します。

「彼氏に振られたの」

証券会社勤務のH男は仕事に追われる毎日。いつも疲れて帰宅しています。
玄関を開けると、専業主婦の妻が待ってましたとばかりに、ご近所トラブルの悩みをぶつけてきます。隣の奥さんはゴミの出し方が分別されていない。向かいの奥さんは町会費2000円を払ってくれないそうだ。
妻の顔を見ると疲労が増します。何億という金を動かして、神経をすり減らして仕事をしている、少しは一人にしてほしい。H男はひとりごちました。
今日は、一杯だけ飲んでいくことにしました。初めてのバーに入り、カウンターに座りました。
カウンターの端に20代でしょうか、若い女性が大分出来上がった様子で、一人で飲んでいます。泣いているのか、多少メイクが崩れています。H男は酒を持って席を移動しました。

「隣いいかな。」

「どうぞどうぞー。私Y子。話聞いてよー。彼氏に振られたの。ひどいよねー。なんでー。私のどこがだめなのー。」

「君みたいなかわいい子を振るなんてひどい男だね。君はとっても魅力的だよ。」

Y子は、嬉しいと言ってH男にしなだれかかってきました。Y子の腰に手をまわしたが嫌がる様子はありません。H男の掌で覆い切れるほどにY子の腰は細かった。H男はY子と性行為することしか考えられなくなりました。
一時を過ぎて終電が無くなっているのを口実に、二人は駅前のラブホテルで性行為を楽しみました。H男としては、すべて合意のもとの行為なので、問題ないと呑気に考えていました。まさか刑事事件に発展し、刑事事件弁護士に相談しなくてはならない事態に陥ることはないだろう、H男がそう考えるのも無理はありません。
翌日、H男が目を覚ますと、Y子が青い顔で携帯画面に見入っていました。Y子が飲んでいる間に、彼氏からやり直そうというメールが入っていたとのこと。何度も着信があり、Y子が出なかったので、「おまえ浮気しているだろ」という明け方のメールで終わっているそうです。

家庭持ちのH男はもともと遊びのつもりだから、Y子が彼氏とどうなろうと知ったことではないというのが本音です。H男は荷物をまとめて一足先にホテルを後にしました。
後日、H男の元に警察が来ました。Y子が彼氏に伴われて、警察に泣きながら強姦被害を訴えてきたというのです。
翌朝も普通に会話したのに、強姦なんてあるわけがない。

なぜ酔った女性を口説くのは「非常に危険」なのか

ナンパした女性と意気投合して、そのままホテルへ。行きずりの性行為の後に危険が待ち受けている。合意のうえで性行為を楽しんだつもりでも、「酔ってわからなくなっている間にレイプされた」と後から女性が訴え刑事事件に発展するリスクがあるからです。「お酒でムードを高めてから」という口説き方は、その後の行為が刑事事件に発展することがあり、法律的には非常にリスクが高いので慎むべきというのが刑事事件弁護士からのアドバイスです。
暴行や脅迫をしなくても、女性を酩酊状態にして抵抗できなくしたうえで性行為に及べば準強姦罪が成立します。準強姦罪は、三年以上の有期懲役となり得る刑事事件です。「準」がついても法定刑は強姦の刑事事件と変わりません。
強姦罪は親告罪(被害者の告訴があってはじめて起訴される罪)の一つで、告訴期間は犯人を知ってから六カ月以内でしたたが、2000年の改正で、この制限が撤廃されました。数年前の“一夜の過ち”をネタに、いきなり強姦の刑事事件として逮捕される可能性もあるのです。

女性が「ほろ酔い」程度でも安心できない

女性は、酩酊していなかったのに、酩酊状態であったと虚偽の申告をすることもあります。女性はなぜ嘘をつくのでしょうか。
典型的なのは、ほかの男性との性行為が恋人や夫などにバレてしまい、苦し紛れに女性が嘘をつくというパターン。本当は合意がある性行為だとは、口が裂けても言えない。そこで、酒を無理やり飲まされて強姦されたことにするのです。
そして、非常に恐ろしいことではありますが、女性の証言は重視される傾向にあります。「被害者が言っているんだから間違いがないはずだ」「だったら裁判で被害者を証人として呼ぶか?刑が重くなるぞ!」などと、捜査官は自白を迫るのです。

酒を飲んだときの「自衛策」とは

では酔った女性とは性行為ができないではないか。実際には、酒の席と性行為が時間的に接着することはあり得ます。刑事事件弁護士は勧める男性にとっての自衛策はないのでしょうか。
泥酔状態であったかどうかについては、酒酔いチェッカーのようなもので測定した数値を記録化するのが理想ですが、現実的ではありません。せめて女性の泥酔状態についての目撃者がいればよいでしょう。一緒に飲んでいた者や、店の店員などが考えられる目撃者です。女性の泥酔状態が争点となったら、刑事事件弁護士。

実際に、女性の証言の信用性が疑われ、男性が無罪になった事例があります。酒に酔った中学時代の同窓生の女性を姦淫したとして、大学生の男性が準強姦罪に問われた刑事事件の事例で、無罪判決が下されました。刑事事件の判決では、交際相手に事件が発覚したため、女性が自己弁護のために供述を誇張させた可能性が指摘されました。現場の神社まで女性は自分で移動していて、抵抗できないほど酔ってはいなかったとされています。女性の飲酒量や酩酊具合については、酒席にいた友人複数の証言が得られています。性行為後に、友人らと共に行動し、別の男性と同じベッドで寝ている(性行為は拒んだ)点でも、女性の証言の信用性が疑われました。目撃者がいない場合はどうでしょうか。ホテルの店員は、目撃者にならないのでしょうか。
ラブホテルは、チェックインの際に姿を見られない造りになっています。客を気遣った構造が、逆に泥酔していたので無理やり連れ込まれたという女性の訴えに真実味を帯びさせてしまうのです。
他方、シティホテルであれば、受付をする男性の後ろで待っている女性を、フロントの人物が目撃しています。チェックインに時間もかかるので、無理やりホテルに連れ込まれたという女性の言い分が通りにくいといえます。防犯カメラの映像も有力な証拠となるでしょう。

ちなみに、男性も泥酔していた場合はどうでしょうか。この場合は、法的には責任能力に影響し得ますが、酒に酔っていたからといって責任能力が軽減されることはまずありません。男性が泥酔していたかどうかに限らず、女性が泥酔して酩酊状態であれば準強姦罪が成立し得ます。男性が泥酔していた場合は、弁解の信用性が低くなってしまうので、ますます不利になってしまうでしょう。

刑事事件弁護士の一言

ケチってラブホにしたか、奮発してシティホテルにしたか。

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