反社会勢力・クレーマー対応 危機管理・不祥事対応の弁護士相談は永田町法律税務事務所へ|危機管理.com
- [CATEGORY]:反社会勢力・クレーマー対応
期限未到来の債権取立て[POSTED]:2018-07-27
当社が負担している期限未到来の債務について、「○○組の何某が債権譲渡を受けたので即時に返済せよ」と押しかけてきました。「弁護士を代理人に立ててきてほしい」と返答しましたが、これを黙殺し、何度も押しかけてきます。どのように対処すればよいでしょうか。
履行期限が設定されている債務については、期限が到来する前に履行する必要はないです。また、債権譲渡を受けたといっていますが、その話が本当である確証もありません。
つまり○○組の何某に返済する必要はないといえ、断固拒否するべきであるといえます。
もしも暴力団の要求が執拗で、自身での対処が困難であるときには、早期に弁護士に依頼をすることがよいと思われます。
1.不当な要求
(1)返済義務
債務の返済に関しては、期限内に行えば問題はないため、期限前に返済する義務はないといえます。さらに債権譲渡を受けていたとはいえ、譲渡人(元の債権者)が債権者に対して通知をしていなければ、支払に応じる必要はないといえます(民法467条1項)。
(2)暴力団の狙い
暴力団は繰り返し執拗に押しかけることによって、債権者に煩わしさを感じさせ、返済を促そうとしたり、あるいは暴力団であることを明示することで、脅えさせ返済をさせることを考えています。
しかし、一度でも暴力団の要求をのめば、暴力団は味をしめ、他の債権についても返済を迫ったり、または全く別の不当な要求をされることが予想されるため、暴力団の要求に屈するような態度を取ることは望ましくありません。
2.対応策
(1)弁護士への依頼
暴力団による押しかけに対応しきれない場合や、あるいは業務に支障が出るようであれば、すぐに弁護士へ相談をすることが必要です。
依頼を受けた弁護士は、警察などの機関で相手の暴力団に関する情報を得た後、暴力団に対して、不当な取立行為をやめる旨を文書または電話で通告することになります。暴力団自身も不当な要求を行っているという自覚が十分あるので、弁護士が間に入ることで、多くの場合は取立てが止まります。
しかし、弁護士が介入しても、執拗な押しかけを繰り返すようであれば、取立行為を差し止める仮処分を申し立てることになります。
(2)刑事事件としての措置
さらに仮処分決定を得たにもかかわらず、押しかけてくるようであれば、刑法上の住居侵入罪または不退去罪に該当するといえるので、警察に通報することができます。仮に相手が暴力団であった場合、新たな被害が生じることもあり得るので、警察に相談すれば、迅速な対応が望めます。
また、債権譲渡が取立ての目的のために債権を譲渡したように仮装するなど、真実のものではなかったときには、執拗に返済を迫られる行為は、暴力団対策法で禁止されている不当要求行為にあたると考えられます(暴力団対策法9条6号)。
いずれの場合でも、安易な妥協をすれば新たな被害が生じるので、毅然とした態度で対応することが重要です。
- 2018-07-27
- [CATEGORY]:民暴対策Q&A, 企業編(内勤事務), 反社会勢力・クレーマー対応
『企業編(内勤事務)』のその他の記事
- 反社会勢力や暴力団への対応
- 反社会勢力や暴力団が現れたら トラブルの最中で、第三者が現れることがある。反社会勢力や暴力団が絡んできて、追い込みをかけられる。こうなってくると当初のトラブルにおける正当性などどこかに飛んでしまい、話がどんどん変わっていく。本来は正しいことをしていたはずなのに、あたかもこちらが悪いことをしているかのような心境になる。中には当事者がもともと反社会勢力や暴力団であることもある。反社会勢力や暴力団の定…
- 生活保護からの暴力団排除
- 暴力団員から、生活保護の申請がなされました。生活保護の申請は却下できるのでしょうか。 1.結論 生活保護の申請を行った者が暴力団員である場合、生活保護法4条1項によって規定されている保護の要件を満たしていないとし、急迫状況である場合を除き、申請は却下されるものとしています。 2.保護の補足性 生活保護法とは、憲法25条により定められている「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利(生存権)」の実現のため、「生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低…...
- 公共事業からの暴力団排除
- 私は○○市建設局に勤務する者ですが、公共工事に関し、同和関係団体の事務局長と名乗る者が、ある建設業者とともに市役所を訪れ、入札業者に対し当該建設業者を下請として採用するよう行政指導をしてほしいと要請しております。どう対応したらよいのでしょうか。 1.暴力団等の公共事業への関与 公共工事の発注では、莫大な資金が請負業者に対して支払われることや公共施設の指定管理者として採用された場合には、継続的な収入源になるということから、最近では暴力団関係者が様々な理由をつけ、公共事業に関与しようと目論んで…...
- 公立住宅からの暴力団排除
- 市営住宅、県営住宅、都営住宅等の公立住宅から暴力団員を排除することは可能でしょうか。公立住宅に居住申込をした者が暴力団員である場合、暴力団員であることを理由に入居を拒否することはできるのでしょうか。また、既に公立住宅に居住している者が暴力団員であったことが判明した場合、暴力団員であることを理由に公立住宅からの明渡しを請求できるのでしょうか。 1.結論 条例によって、「暴力団員でないこと」を入居者資格として規定することで、暴力団員の入居を拒否することは可能です。また、既に暴力団員が居住してい…...
- 機関誌・情報誌の購読を取りやめたい
- 私は、市役所の総務課長をしています。当市役所では長年にわたり幹部職員全員が政治団体等の発行する複数の機関誌・情報誌を購入させられています。機関誌・情報誌の発行者は、集金と称し、あるいは取材と称して市役所内を闊歩しています。このような関係を断ち切りたいのですが、どのように対処したらいいのでしょうか。 1.組織的対応が必要 行政対象暴力の類型の中で、機関誌等の購読要求は最も多いといえます。購入方法としては、職員の自費によって購入させられるケースや、公費を支出しているケースなど様々ではありますが…...
- 行政対象暴力とは
- 私は市役所の土木課長をしていますが、同和団体の名刺を持った者が、「A社の経営姿勢を正してほしい」と申し入れてきました。調査したところ、この人物はA社に対して下請工事に参入させることを強要していることが分かりました。どのように対処すればよいでしょうか。また、日頃から行政職員として注意することについても、教えてください。 1.行政対象暴力とその問題性 暴力団やえせ同和・えせ右翼の団体などが、市役所や県庁等の行政職員に対して、公共工事の受注および下請参入を迫る行為や、また各種許認可や随意契約にお…...
- 役員と従業員の連携プレー(3) 従業員の立場
- 私は、建設会社の現場責任者です。暴力団関係者が「マンションができると日照権が阻害される」と難癖をつけ、工事を妨害しています。上司は、「カネで解決せよ」というのみで、直接交渉に当たってくれません。どうしたらよいでしょうか。 1.建設会社は最大のターゲット 暴力団は、隙さえあればどのような企業であっても攻撃を仕掛けるものですが、その中でも建設業界は最大のターゲットとされています。毎年、法務省人権擁護局が実施している「えせ同和行為実態把握のためのアンケート調査結果」において、えせ同和行為の被害を…...
- 役員と従業員の連携プレー(2) 役員の心構え
- 私は、会社の総務部長兼務の取締役です。右翼団体を自称する者たちが会社に押しかけてきて、私との面談を強要してきたので、部下に対して「私のところまでこないように、君たちの責任で解決しなさい」と指示しています。部下たちは、私のことを弱腰であると非難しています。私の態度は間違っているのでしょうか。 1.大いなる間違い 設問者がとっている態度は、明らかに間違ったものであるといえます。いくら取締役であっても、部下に責任をすべて押しつけることは許されることではありません。部下だけで解決するのではなく、会…...
他にはないサービス。無料相談は原則、受け付けません。
無料相談を掲げる法律事務所とは一線を画し、価格競争はせず、報酬に見合う良質なサービスを提供しています。他の弁護士事務所にできないミッションを達成し、紛争解決に集中してリソースを割くために、相談対象を紛争性がある危機管理事件に限定しています。
「内容証明が届いた」「対立当事者に弁護士が就いた」「調停・裁判中」「調停・裁判目前」「弁護士を替えることを検討中」など、紛争性が顕在化している方は無料電話相談(初回15分)・無料メール相談(1往復のみ)・土日夜間の電話無料相談(初回15分)で対応します。
来所 | ビデオ通話 | 電話・メール・土日夜間 | |
---|---|---|---|
内容証明が届いた事件 | 1時間: 12,000円税別 ※来所困難な方に限り、 1時間30,000円税別にて 電話相談に応じます。 | 1時間: 62,000円税別 | 電話:初回15分 メール:初回1往復 土日夜間:初回15分 無 料 |
対立当事者に弁護士が就いた事件 | |||
調停・裁判中、調停・裁判目前の事件 | |||
弁護士を替えることを検討中の事件 | |||
その他、紛争性がある事件 (潜在的なものも含めて) | 非対応 |
来所 | ビデオ通話 | 電話・メール・土日夜間 | |
---|---|---|---|
内容証明が届いた事件 | 1時間: 12,000円(税別) ※来所困難な方に限り、1時間30,000円(税別)にて電話相談に応じます。 | 電話:初回15分 メール:初回1往復 土日夜間:初回15分 無 料 |
|
対立当事者に弁護士が就いた事件 | |||
調停・裁判中、調停・裁判目前の事件 | |||
弁護士を替えることを検討中の事件 | |||
その他、紛争性がある事件 (潜在的なものも含めて) | 非対応 |
※お電話やメール、土日夜間の電話相談は、「内容証明が届いた」「対立当事者に弁護士が就いた」「調停・裁判中」「調停・裁判目前」「弁護士を替えることを検討中」など、紛争性が顕在化している危機管理事件に限定して、簡略なアドバイスを差し上げる限度で提供しています。メール相談、電話相談または土日夜間の電話相談よりお問い合わせください。
※一般的な法律知識については、お電話やメールでのお問い合わせを受け付けておりません。
一般的な法律知識に関する情報は危機管理大全でご案内していますので、こちらをご利用ください。
- 来所予約・お問い合わせ
- 03-5532-11129:00~19:00 土日祝日除く※お電話又は予約フォームにて法律相談のご予約をお取り下さい。
※小さなお子様の同伴はご遠慮ください。