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少年非行と暴力団[POSTED]:2018-07-26
非行少年は暴力団と深いつながりがあると聞いていますが、非行少年・非行少年集団の実態を教えてください。また、少年が非行集団に入ったり暴力団と関係を持たないようにする対策はあるのでしょうか。
1.非行集団の概要
「暴走行為に関わる自動車等を運転し、または暴走行為を行う自動車等に同乗している者によって構成されている集団」を暴走族の定義としています。
近年では、道路交通法の改正や各地の暴走族規制に関する条例の制定などが行われたことによって、暴走族という存在は少なくなっているといわれていますが、暴走族による深夜の住宅街および幹線道路等での集団暴走や爆音暴走を繰り返すことによる交通の安全と秩序を乱す行為、対立するグループとの抗争、グループ内の組織を引き締めることを理由としたリンチ事件のような凶悪事件を起こしていることは事実です。
時として、暴力行為を注意した一般市民に対して暴力を加え、殺害に至ったケースもあります。
また、「チーマー」「ギャング」「カラード」といわれる少年の集団が存在します。これらは繁華街を集合の場所として集まり、遊ぶためのお金を得るために、通行人や一般市民を金属バットなどで襲撃し、強盗および恐喝等の凶悪事件が多発しています。
なお、「チーマー」とは、語源は分かっていませんが、カジュアルなファッションで繁華街のコンビニやカラオケなどに集まり、チーム名を用いてグループ化している集団のことを指し、また「ギャング」とは、アメリカのストリートギャングをまねた不良グループが同色の服装をし、チーマーの流れを汲みつつ、繁華街で行動を共にする集団のことをいいます。「ギャング」は同色の服装をしていることからカラーギャングともいわれています。
さらに最近では、家族の崩壊を利用し、暴力団員が青少年の相談役と称して多数の青少年を一定の場所および時間に集め、会費を取って組織化しようとする事案も見られます。このように集められた青少年の集団に関しては、暴力性の心配はないですが、個々でみた際に、暴力団員の予備軍もしくは将来の関係者として暴力団と関係を深めていく危険があり、特に少女に関しては、暴力団員に餌食とされる被害者予備軍の危険性があります。
2.非行集団と暴力団の影響
「暴走族」「チーマー」「ギャング」「カラード」の組織的な行動様態をみると、暴力団との類似性が見られることに気づきます。暴走族の中には、集団の威力を誇示する目的や縄張り争い、対立する暴走族との抗争事件等を起こした際の後始末を有利にするため、暴力団と深いつながりを持ち、その見返りとして世話料を上納するなどの関係ができていることは、実際生じた刑事事件の記録からもわかります。
また、暴走族の中にも暴力団構成員、準構成員もいる上、暴走族を引退した後、元からの暴力団との交際の繋がりで、暴力団員になるということもあります。これは、暴走族に限ったことではなく、「チーマー」「ギャング」についても同じように、暴力団との関係を深めていることがいえます。
これらの非行集団は、暴力団との密接な関係を有していることから暴力団の予備軍と考えられ、独自の違法行為を行っていることが多いといえます。
3.非行集団対策
非行集団に対する対策は、非行少年対策と同様に困難な問題といえます。暴力団対策法16条では、暴力団員が少年に対して暴力団等に加入することを強要あるいは勧誘する行為や、また少年が暴力団から脱退することを妨害する行為をしてはいけないと定められています。
これに違反するようなことがあれば、公安委員会から暴力団組員に対して中止命令を発することができるとされています。
暴力団に加入しようとする少年や暴力団員が、少年を勧誘している場を目撃した際には、暴力団対策法によって、阻止することが可能な場合もあるので、警察に通報することが必要であるといえます。
最近では、暴走族について悩んでいる地方公共団体が、暴走族対策条例を制定し、効果をあげていることもあります。また、非行集団の対策を念頭においた上での青少年保護育成条例の改正も対策の一つとして重要となります。
しかし、市民としては、非行少年対策と同等に青少年のためにも環境浄化を目的とした社会運動の重要性を再認識するべきであると考えることが必要とされます。
- 2018-07-26
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