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賛助金、機関誌代の支払強要[POSTED]:2018-07-27

必要性についての特段の吟味もなく、ある政治団体の機関誌の定期購読をしています。当局が暴力団や総会屋などの反社会的勢力との絶縁を指導していることもあり、当社としては絶縁をしたいと思っています。絶縁の仕方や、訴訟を提起された場合の対策を教えてください。

政治団体等を標榜している暴力団や総会屋は、資金源を得る目的で、賛助金や機関誌購読料の支払を強要するという事例は多々あります。

機関誌の購読要求では、数ページの機関誌を1部につき月1万円として、5部ぐらいからの購読を求められるケースが多いようです。中には、機関誌を1部も送付しない状態で半年分の購読料を要求されるということもありました。

賛助金であれ機関誌代であれ、一度でも支払をしてしまうと、本社だけにとどまらず、他の支社においても支払や購読を要求されることになり、さらにお盆や暮れになれば特別賛助や特別号を名目に金銭の要求がされることも考えられます。場合によっては、同一の者であるにもかかわらず、別名を使って複数の機関誌の発行をしているということもあります。
また、他の団体と繋がっている場合もあり、その繋がりのある団体から付合いを求められることもあります。

1.基本的な姿勢

関わりたくないという気持ちから、安易に相手の要求に応じてしまえば、相手方に付け入る隙を見せることになるので、より接触を深めてくる可能性もあります。関わりたくないと思っているのであれば、最初から毅然のした態度を取り、拒否の意志を伝えることが重要です。

また、相手が総会屋の場合、会社法によって禁止されている利益供与の問題に発展するおそれもあります。
だいたい、給与や経費ならびに人員の削減などの会社や社員の犠牲によって得られた金銭を反社会的勢力に提供するということは通常では考えられないことです。平成9年以降は時代の流れもあり、このような機関誌の定期購読等を打ち切っているところも多く、近年では、行政機関によって一斉購読拒否が全国的に実施されるようになりました。
さらに反社会的勢力との関係を遮断することは、総務担当者の個人に任せるようなことはせず、取締役をトップとした法務室などの組織を設置し、会社全体で問題に取り組むことが大切です。

2.具合的な対処法

賛助金にしても、機関誌の購読にしても、申込みや継続に関しては、会社が相手方の要求に応じなければならない義務はなく、さらに契約自由の原則がある限り断ることもできます。
電話などによる勧誘の場合、最初にきっぱりと断りの意志表示をすれば、以後連絡が来ることはないとされることが多いようです。

また、相手が総会屋株主であった場合、会社法970条に記載されている「利益供与要求罪」は有効なものであるといえますし、指定暴力団がその威力を示して要求してくることがあれば、公安委員会によって、中止命令を出してもらうこともできます。

一方的に機関誌を送付し続け、数か月程度経ってから請求書を送り付けることや持参するケースもありますが、双方の合意があったわけではないので、契約が成立しているとはいえず、代金の支払義務はないといえます。場合によっては、「不要なときには返送し、返送がされなければ購読したものであるとみなす」などの記載があったとしても、返送の義務は発生しないので、この場合も契約は成立していないといえます。

民法526条2項では、一方的に送付されてきた物に対して、受取人が積極的に使用あるいは消費または処分したなどの契約を成立させようとしたことが認められる事実が存在するのであれば、契約は成立したものであると規定されていますが、機関誌を一瞥しただけであったり、書籍の梱包を解いただけのような程度では、契約が成立したとは認められません。

さらに送付されてきた機関誌等は、返送しなければならないという義務はありませんが、保管しておく必要性はあり、勝手に処分することはできないのが原則です。
しかし、特定商取引法59条1項では、商品が一方的に送られてきた場合、①商品が届いた日から14日間経っている、または②当方から相手方に商品の引き取りを求めた日から7日間の間に、相手に対して購入するという承諾を行わず、また相手方が引き取りを行わなかった場合には、相手方は商品の返還請求権を失うことになると規定されています。
特定商取引法59条の適用がされるときには、上記の①または②に定められている期間が経過していれば、当方の保管義務はなくなるので、一方的に機関誌を処分しても、相手方から代金請求や損害賠償の請求をされることはないです。

書籍などの高価そうなものが物が送られてきたときには、そのまま手元に置いておいてもなにも問題はありませんが、今後請求される可能性やトラブルの回避を考えれば、購入を拒否するという意思表示を明確にし、配達証明付きで返送することも一つの手段です。

このような内容の裁判例としては、過去10年の間、広告掲載を行ってきた企業に対して、政治雑誌発行社が広告の掲載を申込んだ際に、企業からの拒絶の意思がなかったため、広告を掲載し、掲載料の支払を求めたという事案で、裁判所は商法509条の適用を認めなかったため、契約の成立は否定され、請求を棄却したものがあります。

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