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役員と従業員の連携プレー(2) 役員の心構え

私は、会社の総務部長兼務の取締役です。右翼団体を自称する者たちが会社に押しかけてきて、私との面談を強要してきたので、部下に対して「私のところまでこないように、君たちの責任で解決しなさい」と指示しています。部下たちは、私のことを弱腰であると非難しています。私の態度は間違っているのでしょうか。

1.大いなる間違い

設問者がとっている態度は、明らかに間違ったものであるといえます。いくら取締役であっても、部下に責任をすべて押しつけることは許されることではありません。部下だけで解決するのではなく、会社全体が一丸となり、毅然とした姿勢で自称右翼の団体と対峙するべきです。
そして、会社の役員はこのような問題の中核の立場という自覚を持つべきです。

2.反社会的勢力排除は、会社の重要課題

会社にとって、民暴対策の問題は、真剣に取り組むべき問題であるといえます。反社会的勢力と呼ばれる者たちは、相手方が弱腰であると判断すれば、威圧的な態度で付け込んでくることになります。会社は全体が一丸となって、反社会的勢力の要求を突っぱねることをしなければ、負けてしまうことになります。そのようなことになってしまえば、あとは反社会的勢力の言いなりとなってお金を渡し、仕事上の便宜を与えるというようなことになり、結果的に、会社が一方的に被害者とはいえなくなってしまいます。暴力団対策法は平成4年に施行される以前は、暴力団から不当な要求をされたとしても、暴力団の言いなりになるか、または程々に妥協するなどして、下手に抵抗しないようにという考えの人が多くいました。

しかし、現在では暴力団だけに限らず、反社会的勢力に対しても排除するということが企業の基本的な行動倫理として求められつつあります。よって、反社会的勢力に対して安易な対応をしようものなら、「反社会的勢力と癒着している企業」というレッテルを貼られ、経営者の責任が問われることや企業の存続が危ぶまれるような事態に陥ることもあるのです。
会社での立場が高いほど、民暴事件が生じた際に事の重要性を認識し、危機管理において主軸として、毅然とした対応をとることが求められます。

3.担当者まかせは敗北のもと

民暴事件の場合、担当者任せにすることは、非常に危険であり、結果的に失敗することになります。反社会的勢力が会社に攻撃するときは少なからず会社側にも何かしらのミスがあるケースが多いです。反社会的勢力は、たとえ小さな弱みであってもそれを膨らませ、執拗に責め立ててくることになります。会社側の担当者は、警察官のような取締りを行う権限はありませんし、弁護士のように法的な知識で対抗することも難しいです。
会社からのバックアップを得られなかった担当者は、孤立感や無力感、恐怖感に苛まれることになり、反社会的勢力からの不当な要求を飲まざるを得ないという事態に発展することも考えられます。

4.組織的な対応が必要

会社全体が一丸となり、毅然とした対応をすることが民暴対策の基本といえます。
まずは、会社として、どのような事態になっているのかを正確に把握し、その上で事案に対して的確かつ迅速な基本的な方針を決めていくことになります。
次に、反社会的勢力に対して直接対応するチームを構成することになりますが、これと同時にこのチームをバックアップする体制を整えることも必要となります。指示を出す役員の中で、総責任者を選出し、総責任者は担当者に対して、的確な指示出しをするとともに、対応における努力や苦労を理解した上で激励し、その苦労に見合った評価を与えるべきです。
また、それと同時に、弁護士や警察、暴力追放運動推進センターに早急に相談を行い、連携して的確な対策を進めていくことが重要です。

ここまでは、問題が起こってからの話になりますが、企業は日頃から、反社会的勢力を排除するための基本的な方針を行動憲章などに示し、また、いざというときのための体制を整えておくことが求められているのです。

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