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役員と従業員の連携プレー(1) 経営トップの姿勢と従業員への配慮

当社は、全社をあげて反社会的勢力と対峙していこうと考えています。経営トップとして、従業員に対して、どのような指示をしたらよいでしょうか。

1.反社会的勢力排除は、企業の基本的倫理

日本経団連では、平成3年に「企業行動憲章」を制定していますが、その中で、暴力団などの反社会的勢力を排除することを目的とした指針を提言しました。
また、平成8年には、その指針を実現するための参考として、各企業が「企業行動憲章実行の手引」を作成し、取り組むための具体的な対策を明確にしました。
多くの企業や業界団体では、反社会的勢力に対する排除は、企業倫理にとって重要な主軸であることを認識し、行動規範の中に取り入れられることとなりました。

さらに、都道府県における暴追センターでは、反社会的勢力の排除活動を行う企業に対して支援を行うため、各地で「不当要求防止責任者講習」を開催するようになり、企業の関係者に対して、企業対象暴力への取組みに関して、具体的な講習を実施しています。

そして、「金融検査マニュアル」には、平成16年の改訂の際に「反社会的勢力への対応については、警察等関係機関等とも連携して断固とした姿勢で臨んでいるか」という項目が追加されました。

平成19年6月には、政府が「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を発表したことで、企業が反社会的勢力との関係を遮断するということが、国の方針として取り上げられるようになってきました。

以上のことから、反社会的勢力と対峙することは、企業にとって、個別のトラブル対策ということにとどまらず、クリーンな企業であることを社会的に評価されるための基本的な行動倫理となっていることが分かります。
企業のトップにいる者は、反社会的勢力の排除に関することが、重要であることを認識する必要があります。

2.暴力団と反社会的勢力

暴力団対策法が平成4年に施行されたことによって、暴力団が法的に規制される不法集団であるとはっきりと定められ、企業と暴力団が癒着することに対して社会から厳しい糾弾をあびることとなりました。
社会からクリーンな企業であるという評価を受けるためには、暴力団に対して毅然とした姿勢で対応することが求められるようになりました。

しかし、不当・不法な攻撃を企業に対して仕掛けてくるのは、なにも暴力団だけとは限りません。
それどころか、暴力団対策法の規制を免れるため、合法的な企業・社会集団・政治結社・同和団体などを標榜し、かつ暴力団のような要求をしてくることが多いといえます。このような者は、高圧的かつ威圧的な言動を執拗に繰り返すことで、不当な要求を押し通そうとします。
つまり問題となることは、暴力団と名乗るかということではなく、その行為が不当・不法な行為にあたるかということになります。
よって、暴力団と名乗らなかったとしても、反社会的勢力に対しては、暴力団に対するのと同じように、企業は毅然とした行動が求められることとなります。

3.経営トップの基本的な心構え

企業が反社会的勢力と対峙した際に、勝つためのポイントとしては、経営トップが毅然とした決意と指導力にあるといえます。経営トップが断固として屈しない姿勢を示せば、会社全体が一丸となって対峙する方向に固まります。
社長が率先して反社会的勢力の排除を訴えることで、役員や従業員が社長の指揮に従い、組織の一員としての自覚を持って取り組むと思われます。

しかし、社長が反社会的勢力と向き合うことなく、弱腰でいれば、役員や従業員は孤立することとなり、強烈な反社会的勢力から攻撃に企業が耐えることは難しいといえます。

担当者に任せ、企業が組織的なバックアップが臨めなければ、担当者は不安や恐怖心を抱くこととなり、反社会的勢力の要求に屈してしまうことは明らかです。

つまり企業が反社会的勢力と対峙するためには、経営トップが毅然とした決意を固め、会社全体に対してそれを示し、さらに結果を出すために必要な具体的な指示を下すことが求められています。

4.経営トップは何をしたらよいのか

まずしなければならないことは、反社会的勢力との絶縁宣言をすることです。つまり暴力団や総会屋、エセ右翼、エセ同和などの反社会的勢力との関係を、企業として完全に遮断し、反社会的勢力を断固として排除することを取締役会において決議することが大切です。その後、その決意を企業の倫理規定や行動規範の中に組み込むことが出発点となるのです。

次に、問題が起こった際に備えて、反社会的勢力を排除するための体制づくりをする必要があります。せっかく決意が固まっていても、具体的な備えをしていなければ、なんの成果も得ることはできません。
なので、日頃から反社会的勢力からの攻撃があった際の行動基準をつくり、組織としての対応が可能な部署や人員を確保し、さらに具体的な対応手順を取り決めておくことが重要となります。
そして、社内規則およびマニュアルを整備しておくことも必要です。
さらに、できるようであれば、暴力団排除条項を記載した契約書の作成や外部専門機関との連携の確立、日頃の研修や訓練等も求められています。

実際に事件が発生した場合、経営トップは組織的に一丸となって対峙するための的確な指示が求められることとなります。

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