有事対応に関するお悩みゴト

反社会的勢力・クレーマー対応危機管理に関するトラブル

民暴対策Q&A 企業編(経営幹部)Q&A一覧に戻る

株主代表訴訟への対応

私は、ある会社の取締役をしています。ある総会屋が私に対して株主代表訴訟を提起するといってきました。もし裁判になった場合、私は個人として、どのような金銭負担をしなければならないのでしょうか。

株主代表訴訟を提起され、被告として応訴しなければならない場合、敗訴を回避するためにも、弁護士を選任する必要があります。
しかし、このような場合、会社の顧問弁護士に依頼することはできず、弁護士費用に関しても、勝訴するまでは自らが負担をすることになります。
裁判となった場合、会社が補助参加としてこちら側につき、訴訟活動を助けることを認めたケースもありますが、たとえ、補助参加が認められなかったとしても、資料の提供などで会社から支援を受けることは事実上できます。

1.弁護士費用

現在、弁護訴費用については、自由化されているため、具体的な費用においては弁護士との協議によって決められます。弁護士は各自で報酬基準を作成しているので、これに則って費用が決定することになります。費用については、弁護士から依頼者に対して説明を行うことが義務となっているので、弁護士から十分に説明を受けるようにすることが大切です。

2.会社の顧問弁護士への委任と会社の費用負担

株主代表訴訟の場合、会社の顧問弁護士に事件の処理を委任することはできないとされています。これは、株主代表訴訟が会社に対する役員の責任を問題とするものであり、もし、会社の顧問弁護士が株主代表訴訟の被告の代理人になるようなことがあれば、利益相反行為となり、これは弁護士法25条によって認められていないのです。
つまり弁護士に委任する際には、会社とは無関係な弁護士に委任し、事件処理をしてもらうことになります。

また、被告となった者の弁護士費用を会社が負担することも許されていません。これは、株主代表訴訟が会社に対する被告人の責任の有無を争う裁判であるため、被告はこの裁判においては会社の敵方ということになります。つまり敵方に資金の提供を行うことは取締役の忠実義務に反することにあたるのです。

ただし、訴訟が終わり、役員が勝訴すれば、民法650条(受任者の費用償還請求権)に則り、その役員は会社に対して、裁判に要した費用の支払を請求できるとされています。
また、役員に就任の際に、会社との間で、不当な株主代表訴訟による損害を被ったときは、会社側が補鎮するというような合意を締結していれば、これを根拠として支払の請求ができます。

3.責任限度額

取締役の責任において、善意かつ重大な過失がなく(無重過失)職務を行ったことによる結果生じたことであれば、取締役の責任限度額は報酬の4年分に限定することが株主総会で決議することが可能となり、また、批判もありますが、定款によってあらかじめ定めておくことも可能となりました。これについては、取締役の経営判断を委縮させることなく、注意義務を果たさせるためのインセンティブにする目的があります。

4.保険加入

最近では、役員損害賠償責任保険が売り出されるようになり、一定の限度で有効であるといえるので、保険契約の内容や保険料額などの説明を保険会社から受けることができます。ただし、免責約款付されているため、内容をよく確認し、加入するかを決めることになります。

お問い合わせはこちら 東京永田町法律事務所
ページトップへ戻る

民暴対策Q&A 企業編(経営幹部)一覧