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賃貸物件から暴力団を立ち退かせる

賃貸していたテナントが、いつのまにか暴力団事務所に変わっていました。どのような法的措置が可能でしょうか。

賃貸物件であるテナントが暴力団事務所として利用されていた場合、重大な契約違反があるならば、契約当事者間における信頼関係が破綻したとみなすことができるので、賃貸借契約を解除して、建物の明渡しを求めることができるようになります。

1.賃貸物件の不法使用

建物の「占有状況」において、当初賃貸したテナント先とは関係のない組員等が家主に無断で出入りし、組事務所として使用しているのであれば、無断譲渡あるいは転貸の可能性が高く、重大な債務不履行に該当します(民法612条)。
また、建物の用法という点からみれば、契約書では「住居」目的での使用と記載されているにもかかわらず、組事務所として使用しているのであれば、明らかに用法違反といえます。
さらに「賃料の支払」について考えれば、組事務所として利用されている場合、賃料の延滞が考えられます。延滞状況が長期間続くのであればこれも重大な契約違反であるといえます。
組事務所として使用している場合、玄関に勝手に代紋をつけられたり、ビデオカメラや防弾ガラス設置されたり、さらに部屋の内部が事務所使用に変更されていることもあり、このような場合は、無断改装に該当するので、重大な契約違反といえます。

なお、契約書内に「暴力団員は立ち入らせない」というような暴力団排除条項が記載されていた場合も契約違反であることを主張することができます。

2.テナントが暴力団員と分かっていた場合

仮にテナントが暴力団員であることを当初から認識していた場合で、さらに最初は個人的に使う目的で貸していたにもかかわらず、いつの間にか組事務所として使用されるようになった場合にはどうなるのかということで考えます。

このような場合においても、賃料の不払いや用法違反などの契約違反行為が存在すれば、直ちに契約の解除を求めることが認められています。
仮に契約違反が存在しなかったとしても、実際に組事務所として使われていることから、抗争事件が生じれば、近隣住民の生命や身体に危険が及ぶ可能性もありますし、犯罪の拠点として使用されていることから警察の捜索の対象となったり、入口付近には大勢の組員が頻繁にたむろしているなど、近隣住民等に対する迷惑行為があれば、契約上の信頼関係は破綻したとみなされ、契約を解除することが可能となります。

3.暴力団関係者の入居を排除するには

何よりも暴力団の入居を前もって排除することが重要といえ、入居の申込みをした際には、申込者の勤務先や同居人の勤務先などを紹介し確認しておくことが必要となります。

しかし、暴力団関係者は、人目では分からないように外観は一般企業に似せて企業名義を使ったり、女性名義を使い同居してくるなど巧妙な手段で入居しようとしてきます。
このような状況を回避するためにも、入居の契約時等に借主が暴力団関係者でないことを誓約書に書いてもらったり、あるいは契約書の中に暴力団関係者を立ち入らせないという「暴力団排除条項」を入れておくと牽制になると共に、このような条項に違反することになれば、契約の解除が容易になり、かつ詐欺や錯誤を主張することで賃貸借契約を無効にすることが可能となります。

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