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暴力団に貸事務所が使われている

経営コンサルタントに事務所を貸したところ、看板は経営コンサルタントになっているものの、実際には暴力団の組事務所として使われていることが分かりました。明渡しを求める方法はないでしょうか。

1.明渡しを求める法的根拠

経営コンサルタントに事務所を貸したにもかかわらず、実際には暴力団の組事務所として使用されていた場合、賃貸借契約の解除が可能であると思われます。これは、契約書の中で、経営コンサルタント事務所として使用方法が定められているにもかかわらず、暴力団組事務所として使用されていることから、用法違反であるといえます。
あるいは、契約した経営コンサルタントが事務所の使用をせず、暴力団員にまた貸ししているようであれば、これは無断転貸にあたるので、この場合も賃貸借契約の解除ができます。

さらに、事務所が暴力団組事務所として使用されれば、近隣に多大な迷惑がかかり、また暴力団員が頻繁に出入りすることで近隣に威圧感を与え、事務所周辺には近寄らなくなることから経済的にダメージが生じると思われます。
また、暴力団同士の対立抗争があった際には、事務所が攻撃の対象とされるため、近隣に危険が及ぶことが予想されます。

このように暴力団事務所として使用することで、近隣は常に不安を抱えた生活を余儀なくされます。
このことから、暴力団事務所として使用すること自体が賃貸借契約の根底にある信頼関係を破壊する重大な事由として認識することができるので、解除理由として認められます。

ただし、近年では一般化されつつありますが、賃貸借契約書の中に暴力団排除条項が記載されていれば、契約違反となることは明らかなので、これも解除理由として認められます。

このような事由を組み合わせることで解除を主張することになります。

2.明渡しを求める手順とポイント

明渡しを求める際の一般的な手順としては、①配達証明付内容証明郵便により賃貸借契約を解除する意思表示をし、②事務所の明渡しを求める訴訟を提起し、③判決に基づいて強制執行を行うことになります。
これを行う際に大事なことは、明渡しを求める相手が誰であるかを確定しておくことと、暴力団事務所として使用されているという証拠を得ておくことです。このような情報を得るためにも、警察の協力を得ることが必要不可欠となります。なお、警察はその事務所が暴力団組事務所として使用されていることを既に把握していることも考えられます。

また、明渡しの際の強制執行は危険が伴うため、警察官の協力を要請した上で行うべきです。

もう一つ重要であることは、訴訟を提起する前に裁判所に対して、占有移転禁止の仮処分の申立てをしておくことです。仮処分を得る際には、保証金を積むことが通常必要ですが、暴力団組事務所として使用されていることが明らかであれば、保証金が高額になることはないといえます。
つまりこの仮処分を申立て、決定を得た後、執行官と共に事務所に立ち入ることによって、内部を確認できます。

3.緊急性のある場合

暴力団が対立抗争に巻き込まれ、組事務所が攻撃される危険が高い場合は、早急に明渡しを得る必要があり、訴訟の前に、組事務所としての使用を禁止するための仮処分を求めたり、判決をもらう前に明渡しを命じる明渡し断行の仮処分を求めることができます。

また、凶器を使用した対立抗争が生じた場合、暴力団対策法15条1項に基づく組事務所の使用禁止命令も検討する必要があります。

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