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手形を詐取された

当社は、暴力団員に手形を詐取されてしまいました。どのようにして回収したらよいのでしょうか。

手形のパクリの被害にあったとき、この手形を取り戻すことは困難であるといえます。手形を詐取された場合、詐取された側は詐欺を理由として、振出しを取消すことができます。
しかし、善意の第三者に手形が渡ってしまうと、詐欺を理由とした取消しを第三者に対して対抗することができないのです。
パクリ屋はこのような状況を狙っています。
パクリ屋に手形を詐取されてしまうと、すぐに裏書譲渡されることとなり、パクリ屋とは何も関係のないような者に渡ることになります。もちろん手形を受取り、所持している者がパクリ屋の仲間である可能性も考えられます。
しかし、これを立証することは困難であり、立証ができなかったときには、この手形を回収することはできず、振出人は手形を所持している人に対して手形金を支払わなければならないのです。

1.警察への告訴

対応の方法としては、警察に詐欺罪で告訴することがよいと思われます。捜査の中で、手形が発見され、押収することができれば、この方法が被害防止に有効であるといえます。
仮に手形が譲渡されていたとしても、所持している人とパクリ屋の関係が明るみに出るので、悪意を立証する上で役に立ちます。告訴する上でのポイントは、時間が経てば手形の行方が分からなくなってしまうので、一刻も早く警察に詳しい事情を説明することになります。

2.手形所持人に対する仮処分

手形が交換に回るよりも前に手形の所持人が判明した場合、仮処分を行うことができます。しかし、仮処分になっているにもかかわらず、手形を所持している人が、裏書譲渡してしまうと効果がなくなってしまうので、実効性に欠けることも考えられます。

また、仮処分を行うにあたり、保証金を積む必要があるので、資金的な負担がかかるということもいえます。
このようなことを考えると、手形を民事的に回収することは、とても困難であると思われます。

3.不渡異議申立てと訴訟

事故届が出されていた場合、詐取された手形が交換に回ってきたとしても「詐取」を理由として不渡りにすることができます。
しかし、このままにしておけば、銀行取引停止処分となってしまうので、これを回避するためにも支払銀行に対して手形金相当額を預託して異議申立てをすることが必要となります。手形金相当額を積むことは大変であると思われますが、倒産という事態を回避するためには致し方ないことであると思われます。

最終的には、異議申立てをした上で、手形所持人からの請求に応訴し、悪意を主張して争います。ただし、これを立証することは難しいです。

4.サルベージ屋に依頼してはいけない

「サルベージ屋」とは、パクリ屋が沈めた手形を回収する業者のことをいいます。このような業者は、手形の回収を持ちかけてくることがありますが、サルベージ屋にしたとしても、手形を回収するための新たな障害が生じたり、法外な手数料を養区鵜される、また暴力団関係者に弱みを握られ、つきまとわれるなどの新たな被害を被ることが考えられるので、サルベージ屋に依頼することは避けることが重要です。
さらに、このような違法行為では、内部統制違反に問われ、取締役の責任を追及される可能性もあります(会社法326条4項6号)。

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