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任意整理の抜駆け行為

倒産会社の任意整理で、債権者団で抜駆け禁止の約束をしましたが、暴力団関係者が商品を無断で搬出してしまいました。また、整理屋が債権者委員長となり、預り金を自己の債権に充当するといい出しています。どうしたらよいでしょうか。

1.任意整理の危険性

倒産会社を整理する方法としては、大口の債権者を中心とした債権者委員会を組織し、任意の手続により債権回収および配当を行う方法と、破産手続開始決定を受け、裁判所の監督下におかれた上で破産管財人によって法廷の手続を行う方法の二つがあります。

前者の方法を利用すれば、臨機応変に対応することができ、費用もさほどかからない上に比較的短期間で整理することができますが、その一方で裁判所の監督下ではないため、整理をする上で重要視される手続の公正および債権者の平等が害される可能性があります。本事案はこれに該当すると考えられます。

仮に、債権者の中に暴力団関係者や整理屋と呼ばれる者がいた場合には、任意整理の方法は避け、法定の手続による方法で整理を行う方が安心です。

2.違法行為には刑事告訴も検討

倒産した会社であっても商品はあくまで倒産した会社の所有であり、債権者委員会では換価配当のために倒産した会社から処分を委託され、管理しているにすぎないので、仮に債権者の中に暴力団関係者がいたとしても、商品を無断で搬出する行為は認められません。
商品を無断で搬出した者に対して、商品の返還や損害賠償請求を行うことはできますが、暴力団が相手であった場合には、民事上の手段だけで被害を回復することができないことも考えられます。
場合によっては、商品を搬出する行為が窃盗罪にあたることもあるので、事実関係を調査した上で、債権者の連名によって刑事告訴をするなどの対応を検討する必要があります。

3.債権者委員長の解任を求める

債権者委員長は任意整理を公平に行うことを絶対条件として、倒産した会社の管理および財産の換価の権限を委ねられているので、預り金を自己の債権に充当するようなことがあれば、任意整理を行うことは不可能です。債権者委員長の権限としては、倒産した会社の同意を得た上で、債権者の相違に基づき付与されるものなので、委員長が任意整理の趣旨からは明らかに反している言動を取るようであれば、債権者の総意により解任することがよいと思われます。また、解任する際には、委員長が保管していた預かり金やその他の財産、倒産した会社の印鑑などを取り上げ、新しい委員長を債権者の中から選任する必要があります。

しかし、解任に対して委員長が抵抗し、預り金等を返還しないことも考えられますが、このような場合は、任意整理の方法を諦め、裁判所に対して破産手続開始決定の申立てを行い、法的整理の方法に移行させることが最良の方法であるといえます。

委員長が自己の債権と相殺したとして、預り金を費消していた場合には、背任罪または横領罪が成立することが考えられますので、刑事告訴を検討することもよいと思われます。

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