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倒産に付け込む民暴の手口

私は、ある会社の経理部長兼務取締役をしていますが、会社は債務過多で倒産寸前の状況です。債権者の中には暴力団金融の関係者がいて、私に実印と通帳類を全部渡せと強要しています。言いなりになれば、他の債権者に迷惑をかけます。どうしたらよいでしょうか。

1.倒産整理の基本原則

今まで会社が社会的な活動を行えたことは、特定の債権者だけの力によるものではなく、取引先や下請業者、金融機関や従業員、その他様々な関係者の有形、無形の支えがあったからであるといえます。
つまり会社が倒産するような事態になったとしても、特定の債権者だけが利益をえるようなことは避け、全ての債権者を平等に扱うことが重要となります。破産や会社更生、民事再生等法的倒産手続だけでなく、法的倒産手続には当たらない私的整理の面でも、「債権者平等の原則」は貫徹されるべきであるといえます。

2.整理屋=民暴の代表的な手口

倒産に際に、貫徹されるべき「債権者平等の原則」を無視し、混乱に乗じて会社の財産を浪費し、不当な利益を得ようとするのが整理屋といわれるものです。
本事例では、暴力金融業者から実印などの引渡しを強要されているようですが、このような脅しの手口としては、「自分に任せれば、会社の窮状を救い、再建することができる」などの甘言によって言葉巧みに実印などの引渡しを要求することが考えられます。倒産だけは避けたいと思う会社側としては、このような甘言を信じ任せることをしてしまい、気づいたときには、会社の貴重な財産を食い尽くされてしまっているというケースが多々あります。

3.暴力団金融の言いなりになったらどうなるか

会社の実印や帳簿等はとても重要なものであり、暴力団が恐ろしいからといって言われるままに実印を渡すようなことがあれば、会社の財産は食いものにされ、他の債権者に対して迷惑をかけることになってしまいます。
本事例の場合、当方は取締役も兼務していることから、会社に対して忠実に職務を行う義務を負っているので、相手方の言いなりになれば、職務を懈怠したとみなされ、債権者から個人に対して損害賠償の責任を追及されること(会社法429条1項)や、特別背任罪の責任に問われること(会社法960条)も考えられます。

会社の役員であることから、会社の倒産だけは避けたいと思うかもしれませんが、経営状況が債務超過であることや支払が不能という状況になった際には、客観的に事実を受け入れなければなりません。会社の周囲の状況を冷静に判断し、早期に清算型または再建型の法的倒産手続を決断することが会社にとっての最良の方法であるといえます。
このような場合は、早めに弁護士の相談し、また相手方から脅迫的な言動等があれば強要罪(刑法223条)に当たるので、刑事告訴し、他の債権者の損害が最小限ですむように配慮することが大切です。

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