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相手によって差別するのかと迫られる

当銀行は、ある人から融資の依頼を受けましたが、本人および保証人に担保能力がないため、丁重に断りました。ところが、数日後、同和団体の理事長と名乗る者がきて、「同和地区の住民だから差別するのか、許せない。徹底的に闘う」といってきました。どうしたらよいでしょうか。

「えせ同和行為」の問題点

「えせ同和行為」とは、行政機関等が取り組んでいる部落差別の解消を目的とした同和対策とは何も関係がないもので、具体的には、要求の口実に同和問題を利用し、企業や行政機関等に圧力をかけていき、企業や行政機関において、もともとの法令あるいは適正な裁量に従い決定をするべき事項に介入することで、企業や行政機関における決定を歪めさせ、最終的には不当な利益を得ることを目的とした行為のことをいいます。この行為は、逆に部落差別を解決する上で阻害する要因ともなっています。
このような不当な要求の口実に同和問題を利用する「えせ同和行為」の本質としては、ゆすりやたかりといった犯罪行為と同じものであるといえるので、刑事事件として検挙し、排除するべきであるといえます。
また、ターゲットとされた企業や行政機関等が、えせ同和行為による圧力に屈して、要求されるまま、ゆすりやたかりを行っている相手方に対して不当な利益を供与するようなことがあれば、この問題における担当者の行為が背任等の犯罪に該当する可能性があり、担当者自身が刑事犯として検挙されるおそれもあるので、対応には十分な注意が必要であるといえます。

2.設問の分析と対応

本事案において、同和団体の理事長と名乗っている者の発言内容はとても巧妙であり、一見同和問題の理解を欠く対応をしているのは自分ではないかと錯覚させられます。
しかし、この理事長の行為は、融資の実現をするために通常では融資がされるはずのないケースを、同和問題口実として銀行に圧力を加えており、これにより融資金名目で銀行からお金を脅しとろうとしているえせ同和行為の典型であるといえます。なので、このような同和行為は排除するべきであるという認識を持つことが大切です。

(1)要求を明確に拒否すること

まず相手が同和問題を口実として、融資金という形でお金を脅しとろうとする犯罪行為を実行している者であるという認識を持ち、融資はできないから帰ってほしいということを伝え、明確に要求を拒否することが大切です。
「考えてみる」や「検討する」などの曖昧な対応をしてしまうと、相手方に付け入る隙を与えることになります。
また、書面(配達証明付内容証明郵便)による融資拒否の通知をする方法もあります。

(2)「同和を差別するのか」といった要求の口実に対する対応

えせ同和行為は、同和問題とは関係のないことであるという認識を持ち、融資を実行しないということは差別には当たらないと断言して対応する必要があります。
仮に断言することが困難であるというのであれば、「差別に当たるかについては法務局で判断してもらう」と対応し、速やかに法務局へ通報し、被害相談をすることになります。

(3)警察、弁護士会、法務局への連絡と相談

「えせ同和行為」は、警察では刑事的な視点で対応してもらえ、弁護士会では民暴対策委員会で交渉禁止の仮処分命令をとるなどの民事的な視点において対応を検討することになります。
さらに法務局では、同和問題であるかを判断してもらえるという面で対応してもらえます。

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