有事対応に関するお悩みゴト

反社会的勢力・クレーマー対応危機管理に関するトラブル

民暴対策Q&A 企業編(内勤事務)Q&A一覧に戻る

暴力団が委任状を持参してきた

当社の下請先に工事を発注していたところ、工事途中で倒産してしまい、代表者が行方不明になりました。この後、その下請先の代理人と称する暴力団の者が委任状を持参し、工事代金を精算して支払えと請求してきました。どのように対処したらよいでしょうか。

1.自称代理人への対応

委任状を提示されただけでは、下請先本人が正当に委任したものであるかについての確実な確証がないまま支払をしたとしても、その支払が法律上で有効な弁済であるとはいえず、場合によっては、正当な権利者に対して、新ためて弁済を行うことになることもあります。なので、弁済を行う際には、委任状とは別に下請先本人の真意を確認できる確実な証拠により証明されるまでは、支払を断ることが相当であるといえます。
ただし、中途工事のような法律事務を、弁護士以外の者が、報酬を受け取り、継続的に行う行為は、被弁活動に該当し、弁護士法によって禁止されており、さらに刑事罰においても定められています。

1.誰に弁済するべきか

倒産した下請先が、現在どのような整理および清算の手続きを行っているかについてよく調べる必要があります。裁判所に事件が係属している場合、管財人およびその他の受領権者に対して、法的な手続に従い、弁済することになります。
また、裁判所を通さず、任意整理(私的整理)によって行われているのであれば、通常は債権者委員会または委員長に宛てて弁済を行うことになりますが、本事案のように、倒産した下請先本人が行方不明である場合は、法的に有効な任意整理を行うことは困難であると思われるので、支払に応じることはないといえます。
調査の結果、なんの法的な整理および清算手続きが取られていないときには、工事代金の債権者である下請先が行方不明のため、債権者における弁済受領不能ないし債権者の不確知を原因として、法務局に対して工事代金額を供託することによって、債務を免れることが可能となります(民法494条)。

3.強引な弁済要求への対応

自力救済においては、時間的・場所的な接着性があるとき以外では容認されていません。たとえ正当な債権者であったとしても、実力行使は認められておらず、法的手続則って債務の履行を求めることになります。自称代理人や自称債権譲受人が強引に会社へ立ち入り、面談を強要し、架電を繰り返した上で支払の要求をしてくる場合には、裁判所に対して不作為の仮処分を申立て、立入り禁止および面談強要禁止、架電禁止の決定を得ることができます。

また、仮処分が出ているにもかかわらず、さらに強引な弁済要求があった際には、裁判所に対して、「違反1回につき金○○円支払え」というような命令を求める間接強制の申立てを行うこともできます。
以上のような手続を行う上で、相手方の特定をする必要があるので、強引な取り立てを行った者の氏名および住所、要求行為の具体的な内容などの詳細をメモなどに記録しておく必要があります。
さらに警察に対する事前相談や仮処分決定の写しなどを提出しておき、暴力団への対応における連携を図っておくことが重要となります。

お問い合わせはこちら 東京永田町法律事務所
ページトップへ戻る

民暴対策Q&A 企業編(内勤事務)一覧