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暴力団から脅される(3) 書籍の押売り

物腰は丁重ですが凄味を持った者が三人で会社にきて、「○○経済研究会発行の本(せいぜい1,000円程度)を10万円で買ってくれ」といっています。さらに、その際、株主総会の話などをして、買わなければ株主総会を混乱させることを匂わせています。どう対処すればよいでしょうか。

1.相手側の意図

本事例の相手は、暴力団組員またはその親交者、暴力団とつながりを持った総会屋あるいはブラックジャーナルといわれるものであると思われます。この類の者が会社に近づいてくる目的は、経済的利益であることは明らかです。
相手は理由のない支払を要求するために、会社の弱みに付け込もうとします。経済的・社会的信用のために会社は経済的活動をしているので、会社としては、何の混乱も無く株主総会が終了することを望みます。
本事例の場合、相手にとっては株主総会を混乱させるだけの材料があるかないかは関係なく、会社側に不安を感じやすい頃を見計らって会社を訪れたと考えられます。
つまり相手はきっかけに付け込んだ上で、株主総会の不安を解消するに相当の額であると要求していることになります。

2.要求に応ずると

相手が要求してきた額は、会社にとっては大きな額ではないのかもしれません。なので、会社としては要求に応じて、一時的とはいえ解放されることを選ぶことも考えられます。
しかし、要求に応じた支払は適正な代価を明らかに超えている利益の供与であるといえます。
また、相手が株主関係者であったとき、株主の権利の行使に関して利益供与がなされた場合、相手方だけでなく、供与した側の取締役および支配人、ならびにその他の支配人に対しても商法497条の利益供与罪(3年以下の懲役または300万円の罰金)が成立し、処罰対象となります。

さらにこのような要求に応じることで、相手方はこの会社は甘いという判断をし、新たに会社の弱点を自ら作り出すことになり、これによって、相手方は次の要求をしてきます。
相手方は同類者と裏で情報を交換し、または、密接な連携を持っているため、この会社は甘いという噂が流れ、他からも同種の要求がなされるようになることも考えられます。

3.適切な対応は毅然と断ること

相手の意図さえ読むことができれば、たとえ交渉することが面倒であっても要求に応じることはできないと思われます。
つまり結論からいえば、面倒であるからといって安易な妥協をするのではなく、最初に「当社としては、このようなお付き合いは一切応じかねます」と伝え、毅然とした態度で断ることが大切です。

もし、相手の迫力に押され、「上司に相談します」や「社内で検討します」というような曖昧な受け答えをすると、相手方は強く出ることで要求が通ると判断し、執拗に攻めてくることになります。ですが、会社側がはっきりと拒絶を示しているにもかかわらず、相手方が執拗に攻めることを続ければ、強要罪または恐喝罪あるいは商法497条3項の罪(利益供与要求罪)などに該当することが考えられるので、毅然とした態度を取る会社に対しては敬遠するようになります。

また、このような要求があったときには、上司に報告し、会社的にも明確に拒絶する意志統一を徹底しておくことが重要です。
そのような体制が整っていれば、現場の担当者であれ、トップであれ、どこを衝かれたとしても、同じ答えで対応することになるので、相手に付け入る隙を与えずにすみます。

さらに早急に弁護士や警察に相談することによって、相手の要求に対して毅然のした対応ができるようになり、「この会社は融通がきかない」という印象を相手方の世界で広めることができるので、最も確実な防衛策であるといえます。

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