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暴力団事務所に呼び出された

社員のトラブルから、暴力団との間で損害賠償問題が発生しました。「責任者と一緒に組事務所にこい」と、担当者が呼び出されています。適切な対処法を教えてください。

1.組事務所に行く必要はありません

相手が一般人であれば、相手の自宅へ伺い、お詫びをするということは通常行われていることです。
しかし、相手が暴力団である場合には、話は違ってきます。暴力団にとって、組事務所に呼ぶという行為は、交渉相手を自分のテリトリーに呼び込むことで、相手を威圧し、怯んだ交渉相手に法的な要求を約束させる手段の一つなのです。
組事務所のような威圧的な環境の中で、正常な交渉ができるとは考えられず、また「誠意がない」と難癖をつけ、なかば監禁状態にしたところで、法外な示談を迫り、約束を了解するまでは、帰らせてもらえないということも考えられます。
このように危険だと分かっているところに、あえて出向く必要はありません。

2.交渉の場所は

交渉の場所としては、ホテルのロビーまたは当方の会社の会議室、応接室などが適切であると思われます。これは、自身の安全を確保する上で重要となります。
また、組事務所に呼ばれているのであれば、「威圧された環境下では正しい交渉が行われない」という断りの理由をしっかり伝えることが大切です。暴力団側からすれば、不法な賠償金さえ取れれば、交渉の場所にはこだわらないので、たとえ呼び出しを断ったとしても、危害を加えられるということはありません。

3.暴力団対策法の活用

暴力団から組事務所に呼び出された際に、拒否をする理由として、暴力団対策法を活用することも一つの手段です。
暴力団対策法29条3号では、指定暴力団員に対して、「人に対し、債務の履行その他の国家公安委員会規則で定める用務を行う場所として事務所を用いることを強要すること」を禁止しています。
ここでいう「国家公安委員会規則で定める用務」の内容の一つとして、損害に関わる示談の交渉が含まれています。
また、「強要」という部分については、無理にお酒をすすめる程度の行為であっても、これに該当するといえるので、相手が指定暴力団であれば、この条項に対して違反しているとみなされ、公安委員会から中止等の命令を発することが可能となります。

4.交渉上の留意点

交渉においては、あくまで法律的な解決をとるという姿勢を貫くことが重要です。
暴力団は、仁義や誠意、けじめなど、法律に関係のない部分において法外な金額を要求してきます。
しかし、要求額が会社として考えている賠償額をはるかに超える額であるならば、超えた分については支払いの約束を一切しないことが大切です。そのためにも、交渉に当たる際には、複数人が同席し、金額の決定権を持っている者は同席を避けること、交渉中の内容はメモをとるかあるいは録音するなどの対策をしておくことが後々重要となります。
また、交渉中は会社内に人を待機させ、所轄の警察にあらかじめ連絡をしておき、一定時間が経過しても面談が続いているようでは、警察を派遣してもらうことも手段の一つです。

5.法的な手続に

法外な賠償要求を受けた場合だけでなく、組事務所への出頭を拒否したことによる暴力的な脅しを受けた場合にも、代理人として弁護士を選出し、交渉を委任することがよいと思われます。

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