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交通事故のトラブル

当社の社員が営業活動で車両を運転中、誤って暴力団員の乗っていた車両に追突してしまいましたが、幸い物的損害ですみました。「事故責任は当社にあり、損害金は全額支払う」との念書を書かされ、これを盾に法外な請求をされています。また、修理期間のみの約束で代車を提供しましたが、相手は示談ができない以上、車を修理に出すことができないと難癖をつけ、いつまでも代車を返そうとしません。どうすればよいでしょうか。

1.会社の事故責任

本事案のような事故では、従業員だけでなく、会社も損害賠償の責任を負うことが原則なので、会社としての責任もあることを前提に考えます。

2.事故直後の念書

交通事故の場合、一般的には被害者の過失も認められることがあり、このような場合、過失相殺によって加害者側の損害賠償は減額されることになります。
また、過失相殺が認められる場合、仮に被害者側が脅迫や暴行を行い、加害者側に「損害額を全額支払う」というような念書を書かせていたとしても、強迫による意思表示であるとみなされるため、この念書は取り消され(民法96条)、念書の効力はないとされます。
さらに、気が動転して事故様態や損害において十分の認識ができない状態であったときや、自由な状態で意思表示をすることができない状況の中で漠然とした内容の念書を書かされたときには、念書の効力自体が認められないこともあります。
どのような場合であっても、相手方にも落ち度がなかったのかを確認し、念書は書かないように毅然とした態度をとることが重要です。

3.正当でない要求には応じなくてよい

会社側に全面的な責任がある場合、相手方が正当に受けるべき損害賠償を全額支払う必要があります。しかし、相手方からの要求額が不当かつ過大である場合には、正当に支払うべき損害額を超える部分に関しては、支払義務はないとみなすので、支払う必要はなく、仮に相手方が指定暴力団員であったときには、公安委員会に中止命令を出してもらうことも視野に入れ、並行して、その部分における債務は存在しないことを確認するためにも訴訟を提起することも一つの手段です。
また、相手方が執拗に面談を要求したり、脅迫等の手段をとるようであれば、面談強要の禁止を命じる仮処分の申立てを行うことも必要です。

4.代車を返還してくれないとき

本事例のように、期間を定めた上で代車を提供した場合、通常代車の使用権(又は代車料の負担)は、事故車を修理するのに要する期間を相当としその相当期間に限り、認められます。よて、その期間が経過すれば、相手方の使用権は消滅したといえます(期間経過後の代車費用も相手方の負担とされます)。
つまり、この期間が経過したにもかかわらず、相手方が代車の返還に応じないときには、弁護士に依頼をし、期間が経過した後の代車料については一切負担しないことを配達証明付内容証明郵便で通知、または裁判所に対し、代車の引渡しを命じる断行の仮処分の申立てを行うことがよいと思われます。
どのような手段をとるにしても、法律的知識や判断が必要とされるので、弁護士に相談することが大切です。

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