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ゴルフクラブから除名したい

ゴルフクラブの規約を改正して「会員が暴力団員と判明した場合は退会を勧告し、従わないときは理事会決議で除名することができる」とすることに問題はないでしょうか。また、規約にあらかじめ定めてあったので、暴力団員に退会を勧告したが納得せず、理事長に脅しをかけてきました。どう対処すべきでしょうか。

1.規約を改正しようとするとき

規約の改正は有効であるといえます。
暴力団は、存在自体が反社会的な集団であるといえるので、暴力団員がゴルフ場施設の利用について、マナーやエチケットに反する行為はもちろんですが、それ以上に違法行為を行う可能性が高いと考えられ、またこのような違法行為がなかったとしても、このような状況を知った他の会員の利用を心理的に抑制することになり、さらに、ゴルフ場の品格を損なわせることになるといえます。このようなことを考慮すれば、入会申込みの時点で暴力団員であると認められれば、それを理由に入会を拒否することは法的にも問題はないといえます。

では、今回の事案のように会員である者が暴力団員であると判明した場合、それを理由に会員者を除名することはできるのかということになります。
これについては、除名を相当とした事例として、「いわゆる暴力団員のような者は、ゴルフ場施設内においても、粗暴な振舞いに及んだり、他の会員に迷惑をかけるなどの、他の会員によるゴルフ場施設の快適な利用を防げる行為に出ることが十分に予測されるから、これらの者との間に契約上の信頼関係を維持することは困難といわなければならない」という判例(傍論)があります。この判例を基準として考えると、会員者が暴力団員であると判明したときには、その会員を除名することができるということになります。

どのゴルフクラブの会則や規約を確認しても、会員の除名や資格停止に関する条項は存在し、除名事由としては、「会則、細則等クラブの定めに違反」「クラブの名誉又は秩序の毀損」した場合等があります。この条項により、除名することは会員に対する一種の制裁にあたる上、除名される会員にとっては、施設利用権を失うだけにとどまらず、社会的な面で信用を失うことになる処分なので、除名の決議において、本当に除名にあたるだけの性質および程度かどうかを慎重に見極める必要があります。ただし、このようなことを考慮したとしても、「会員が暴力団員と判明した場合」には除名とするという理由は除名事由として認められるものであるといえます。

2.退会勧告した暴力団員からの脅し

ゴルフクラブにおいて、暴力団員を排除する条項が元から規約の中で定められているのであれば、その条項を適用させ、その会員に対して退会勧告をすることは当然認められます。これは会員になる者は、会員となった時点でこのような規約等を承知しているとみなされるからでもあります。

今回のケースでは、退会勧告を言い渡した理事長に対して、脅しをかけてきたとあります。暴力団員は順法精神を欠き、常套的にルールを破り、言い掛かりをつけて人を脅します。つまり理事長に対する脅しは、ゴルフ場に対する脅しといっても過言ではありません。
一般的にゴルフ場の会務と職員の統轄は支配人の職務とされているので、支配人に対する脅し、さらに営業妨害行為に及ぶこともあります。
つまり、理事長と職員が一体となり、暴力団排除のための申し合わせをし、対処の方法を決めることが重要です。そのためにも、所轄警察署の暴力団対策担当官や民暴対策に強い弁護士に相談することが大切です。

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