有事対応に関するお悩みゴト

反社会的勢力・クレーマー対応危機管理に関するトラブル

民暴対策Q&A 企業編(外務営業)Q&A一覧に戻る

預金口座の開設の申込み

私は銀行で預金係をしていますが、私が勤めている支店に暴力団員と判明している男から、普通預金口座の開設の申込みを受けています。断ることができるでしょうか。

1.銀行業務と契約締結の自由

銀行業務では、公共性の業務の側面と私企業の側面を持っています。
銀行業務における公共性の側面とは、銀行業務は現代社会における信用制度・金融制度等の国民経済の維持発展には欠かせない業務であるということです。銀行法では、銀行業務において公共性を持っていることから、免許・業務規制・報告義務・監督権等々の銀行に対する規制が定められています。銀行法におけるこれらの規制は契約自由の原則を法律規制の限度内で一部修正されていることになります。

一方で、銀行業務では、一般私企業と同じように経済取引の側面も持っています。
銀行では利益を上げる営業主体として営業活動を行うことが認められています。
これにより、銀行業務では、銀行法等の法的規制により、制約を受けていますが、その規制以外の業務に関しては、契約自由の原則が妥当であるといえます。電気・水道・ガス等の事業主体とは異なり、銀行では個々の顧客との契約締結強制までは法規制を受けていないことから、契約自由の原則のうち契約締結の自由については、保障されているといえます。つまり銀行には、取引をしたくないと思う相手方に対して、契約を拒絶する自由があるといえます。

2.普通預金取引拒絶の合理性

暴力団員との普通預金取引を銀行が拒絶することには、以下のような合理的な理由があります。
①銀行が暴力団員との取引口座を持つことは、暴力団の資金を銀行が扱う可能性もあり、不正・不浄なお金を扱うことになり、銀行が加担していると判断されることがある。

②暴力団員と普通預金取引をすることで、銀行の信用が悪用されるなど、信用低下の原因となることがある。

③暴力団員は一般人と比べ、取引に常習的にクレームを申立てることや、他の取引を強要する可能性があるなど、のトラブルがあるため、銀行がトラブルに巻き込まれる可能性がある。

④暴力団員と普通預金取引をしていれば、開設口座への出入金の関係で、暴力団関係者の出入りが多くなるため、待合室などにいる一般人に対して迷惑がかかる。

3.銀行としての対処方法

銀行が自己の営業を侵害するおそれがあるとみなされる者に対して、普通預金の取引を拒絶することは、銀行にとって必要なことといえます。つまり、暴力団員に対する銀行の普通預金取引における拒絶は、契約締結の自由からも、またその拒絶の合理性からも、裏付けられるものであるといえるので、銀行側が預金口座の開設を断ることは可能であるといえます。

お問い合わせはこちら 東京永田町法律事務所
ページトップへ戻る

民暴対策Q&A 企業編(外務営業)一覧