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「支店長を出せ」と迫られる

暴力団員らしき者が、当社の受付で、大きな声を出して怒鳴っています。「支店長を出せ」というだけで、自分の名前も用件もい いません。支店長が会わなければ、とても帰りそうにない剣幕ですが、どうすればよいでしょうか。

1.不当要求への対応要領

暴力団やその他の反社会的勢力に属する者が、企業や行政に対して金銭等の利得を得ようとする目的から不当な要求をしていることがあります。
きっかけとしては、企業等の些細なミスに付け込む場合や、全く根拠のない言いがかりをつける場合などがありますが、一般的には、何かしらの苦情申出の体裁をとって営業所に押しかけ、企業等の責任者に対して面談を求めるというケースが多々見られます。

このような状況での対応において心がけるべきことは、いくつかありますが、その中でも受付段階では、訪問者の住所・氏名・用件を確認することが必要です。

訪問者が用件をいわず、かつ大きな声を出して会社の営業に支障をきたしているようであれば、これは営業妨害に当たります。このような場合、まずは退去を求め、訪問者が応じないようであれば、営業妨害罪(刑法234条)または不退去罪(刑法130条)として警察に通報することができます。

必要事項を確認した結果、面談すべきである場合、面談には複数の担当者が同席し、さらに最初の段階で訪問者に対して面談時間の限度を伝えておくことが重要であるといえます。
なお、面談の経過に関しては、ビデオおよび録音、メモなどで詳細な記録を残しておくことが必要となります。これは、不当要求による営業妨害行為を受けた場合、裁判所に対して仮処分申立てをすることが有効といえますが、その際に相手方の不当要求や営業妨害の証拠を裁判所に提出することが必要とされているからです。
仮に仮処分手続をとらないとしても、録音や録画、メモをとって証拠を残しているという状況をつくることで相手にプレッシャーを与えることができ、威圧的な行動に対する牽制を行うことができます。

2.支店長面談の要否

訪問者が、その場の最高責任者に対する面談を求めることは多々あります。しかし、訪問者の要求をのみ、最高責任者と面談をさせることは、原則として避けるべきであると思われます。
不当要求者は、威圧的な態度をとることにより、相手が考える余裕をなくさせ、冷静さを失っているところで決断を求めることで、こちらが自己の不当な要求を受け入れるのを狙っています。また、相手がひるんでいることをいいことに、要求をエスカレートさせていくこともあります。
このような場合における対応としては、明らかに拒否すべきであればその場で拒否することが必要ですが、そうでないときには、できる限りその場での即答は控えることが望ましく、そのためにも最高責任者ではなく、民暴関係の担当者が面談をするべきです。

最高責任者の居留守を使うことは、その事実が発覚した際に、相手方に隙をみせる結果となるので、避けることが妥当であるといえます。
仮に、最高責任者が面談をしない理由を聞かれたとしても、あくまで担当者は自分であるという主張することで十分であるといえます。担当者に関しては、会社組織の問題なので、不当要求者のいいなりになる必要はありません。
このような事態に備え、あらかじめ不当要求があった場合の担当者を決めておき、どのような対応をするかについて、マニュアル化するとともに、警察や弁護士の指導を仰ぐなどの組織的な対応の体制を整えておくことが必要です。

また、面談はあらかじめ設定しておいた時間内で行い、その中で訪問者の要求を具体的に確認し、訪問者の要求にたいしては社内で検討した上で、改めて連絡をする旨を訪問者に伝えることが相当の対応であるといえます。
なお、あらかじめ設定していた面談時間を過ぎたにもかかわらず、訪問者が居座るようなことがあれば、これも不退去罪や業務妨害罪に当たる行為なので、このような場合も警察に通報することが妥当であるといえます。

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