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占有屋

私は、中小企業の経営者で公庫融資も含めて5,000万円以上の債務を有しています。先日「つなぎ融資」で「トニ」「トサン」の高利金融業者から100万円、200万円と借増しし、その際、いわゆる「賃貸借契約書」「明渡承諾書」等の3点セットに署名させられてしまいました。その支払ができず、金策で留守にしていたところ、自宅の鍵を変えられ、業者に乗っ取られてしまいました。どうしたらよいでしょうか。

1.占有屋と3点セット

ヤミの中で暴利をむさぼっている暴力金融は、中小企業経営者や多重債務者を相手として暗躍しています。
ヤミ金融業者からの借入れをする際に、借りたい一心であったり、または恐怖心から書類の内容を確認せず言われるままに多数の書類に記名押印させられてしまうということが多々あります。たいていその書類の中には、「建物賃貸借契約書」「建物明渡承諾書」「動産売却承諾書」の3点セットといわれるものが含まれています。

債務者の返済が滞ると、ヤミ金業者はこの3点セットを利用し、立入禁止の看板を設置したり、鍵を変えたり、配下の者を常駐させるなどして、債務者の建物を乗っ取ります。このように建物を乗っ取り、占拠した者を「占有屋」といいます。占有屋は、3点セットの書面を振りかざすことで、自らに正当な権限があると主張し、任意売却や強制競売等のときに立退き料を名目として多額の金銭を要求する行為や、第三者に賃貸することによって賃料を得るなど、占拠することによって不当な利益を得ています。最近の手口としては、家財を売却するなどの行為によって短期的に利益を得るケースもあります。

署名押印をしているのが債務者本人であるため、書面を出されれば反論がしづらいといえます。さらに占有者はこの3点セットを示すことで自分たちが正当な権利者であると主張するため、民事問題であることを理由に警察に対して「民事不介入の原則」を持ち出すなどしており、警察は適切な対応ができにくい時期もありました。
また、占有屋の中には、動産類を処分するルートをグループ内で確保している者もおり、一時期は新手の占有屋として跋簄していたこともありました。

2.占有被害の対策

3点セットの書面は、債務者のお金を借りたいという心情を利用して作成されたものが多く、債務者の真意によって作成されたものではないので、民事上でも無効となると考えられます。仮に民事上有効であっても、日本の法律では「自力救済」が禁止されています。つまり3点セットの書面があったとしても、債務者の真意でなければ、債務者の承諾なく建物に入り、占拠することは許されません。この場合であれば、占有屋に対して住居侵入罪、不動産侵奪罪が成立することも多いといえます。民暴事案であれば、「民事不介入の原則」は適応されず、警察の民暴事案・組織犯罪は積極的に動くことができます。

もしも占拠されてしまったら、すぐに最寄りの弁護士会か警察の相談することがよいと思われます。警察と弁護士会では連携して、本人の承諾のない違法な占拠に対して、民暴被害として対応してもらえます。占有回復をすぐに行うことが困難であるときは、占有禁止の仮処分を得て、明渡訴訟を起こすことになります。この場合であっても、民事および刑事の法律を駆使し、被害回復に努めてもらえます。

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