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暴力団等の情報と個人情報保護法

「指針」では、「取引先の審査や株主の属性判断等を行うことにより、反社会的勢力による被害を防止するため、反社会的勢力の情報を集約したデータベースを構築する。同データべースは、暴力追放運動推進センターや他企業等の情報を活用して逐次更新する」ことを推奨しています。企業が行う暴力団等の反社会的勢力に関する情報の収集・利用等と個人情報保護法との関係について説明してください。

企業が、個人情報を取得することに対し、反社会的勢力による不当要求に対する対処が目的であったとしても、個人情報保護法により規定されている個人情報に該当するものであるとされています。
しかし、反社会的勢力からの被害を防止するには、各企業が業務上において自ら取得した、または他の事業者および暴力追放運動推進センターなどから得た反社会的勢力における情報をデータベース化し、反社会的勢力からの被害を防止するためにも利用することが必要となります。
ですが、個人情報保護法が制定されたことにより、反社会的勢力に関する情報の収集および利用等において、個人情報保護法に違反することも考えられるため、企業としては懸念する面も見られます。

このようなことについて、「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針に関する解説」では、データベース上の反社会的勢力に関する情報の中で、個人情報に該当するものについては、反社会的勢力からの被害を防止することを利用目的として、①取得段階、②利用段階、③提供段階、④保有段階における「個人情報の保護に関する法律」についての基本的な考え方を整理しています。

①取得段階

取得段階とは、事業者が被害防止を目的として利用するため、反社会的勢力の個人情報を直接取得すること、あるいはデータベース化した反社会的勢力の個人情報を、被害防止を目的に利用するため、他の事業者や暴力追放運動推進センター等から取得することをいいます。

基本的考え方

個人情報に対する利用目的を本人に通知することによって、従業員に危害が及ぶ、または事業者に対して不当要求等がされるおそれがある場合、「個人情報の保護に関する法律」18条4項1号(利用目的を本人に通知することにより、本人または第三者の生命および身体または財産その他の権利による利益を害するおそれがある場合)および2号(利用目的を本人に通知することにより、事業者の正当な権利および利益を害するおそれがある場合)に該当することが認められ、本人に利用目的を通知あるいは公表する必要はないとされています。

②利用段階

利用段階とは、事業者が、他の目的のために取得した反社会的勢力に関する個人情報を、被害防止を目的として利用することをいいます。

基本的考え方

このような利用をしない場合、反社会的勢力からの不当要求等に対処し損ねることや、反社会的勢力との関係を遮断することに失敗し、信用を失うことによる金銭的被害が生じることがあります。
さらに、被害防止に利用するために反社会的勢力の個人情報を取得することに対する同意を得ることは困難であるといえます。
よって、このような場合には、「個人情報の保護に関する法律」16条3項2号(人の生命、身体または財産の保護のために必要であって、本人の同意を得ることが困難である場合)に該当するとされ、本人の同意がなかったとしても目的以外の利用が認められることになります。

③提供段階

提供段階とは、事業者がデータベース化された反社会的勢力の個人情報を、被害防止の目的のために、他の事業者または暴力追放運動推進センター等の第三者に提供することをいいます。

基本的考え方

反社会的勢力についての情報交換をし、手口を把握しておかなければなりません。これをしなければ、反社会的勢力からの不当要求等に対して対処し損ねることや、反社会的勢力との関係を遮断することに失敗し、信用を失うことに伴い金銭的被害を生じることも考えられます。また、反社会的勢力から個人情報を取得するにあたり提供の同意を得ることは困難であるといえます。

よって、このような場合には、「個人情報の保護に関する法律」23条1項2号(人の生命、身体または財産の保護のために必要があり、本人の同意を得ることは困難である場合)に該当するとされるので、本人の同意がなかったとしても、第三者への提供を行うことができます。

④保有段階

保有段階とは、事業者が、自らが保有している反社会的勢力の個人情報に関して、一定の事項について公表等を行うことや、当該本人からの開示(付存在である旨を知らせることを含む)を求められることをいいます。

基本的考え方

事業者が、反社会的勢力の個人情報を保有していることが明らかになることにより、不当要求等の違法あるいは不当な行為を助長し、または誘発するおそれがある場合には、個人情報の保護に関する法律施行令3条2号(存否が明らかになることにより、違法または不当な行為を助長し、または誘発するおそれのあるもの)に該当するとされ、「個人情報の保護に関する法律」2条5項の記載内容により保有個人データから除外されるものとしています。

これにより、当該個人情報に関しては、「個人情報の保護に関する法律」24条に定められている義務の対象とはならず、当該個人情報取扱事業者の指名または名称、およびその利用目的、開示等の手続等に関して、公表等をする必要はないとされているため、仮に本人から開示を求められたとしても、「当該保有個人データは存在しない」と回答することができます。

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