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民暴事件と仮処分の活用

民暴事件に対し、保全処分、特に仮処分がきわめて有効と聞いていますが、どういう意味でしょうか。

1.「仮処分」とは

裁判所が正式な裁判(本訴)の前に一時的に一定の結論を出し、その結論に基づいて強制執行を行うことができる裁判手続を「保全処分」といいます。保全処分では、相手方の行為によって生じている危険と困惑を救うための仮処分手続があります。正式には、「仮の地位を定める仮処分」といいますが、この手続を民暴事件に応用することにより、被害者救済のために活用することができるようになります。

ex.執拗に架電を繰り返し、脅してくることや、多人数で押し掛けてくるようなことがあれば、裁判所から「架電・面会禁止の仮処分」を出してもらうことも有効といえます。

2.仮処分の申立方法

仮処分は、裁判手続の一つなので、申立てにより開始することになります。また、申立書には、相手方の表示が必要となります。このような理由から、民暴事件について申立てをする際には、民暴行為者の氏名や住所などが必要となるので、あらかじめ確認をしておく必要があります。さらに申立ての内容は具体的なケースによって異なることになります。

申立書を提出する際には、相手方の民暴行為について具体的に記載する必要があり、またこれを疎明する資料を添付することが必要となります(民事保全法13条)。

ex.「架電・面会禁止の仮処分」の場合
相手方の名刺・相手方の脅迫言辞を録音したテープを反訳した書面、人格権の侵害といえるほど執拗な面会強要の事実があったことを示す報告書などを添付することになります。

つまり、実際に民暴の被害を受けたときには、いつ、どのような被害を受けたかを具体的に特定し、記録化することはもちろんのこと、他にも録音や写真などによって民暴の実態を証拠として残しておくことが大切だということになります。

仮処分とは、裁判所が相手方を呼び出し、相手方の言い分を聞いた上で決定を出すことが原則です(民事保全法23条4項)。
このことを「債務者審尋」といいます。
しかし、裁判所が被害救済の迅速性を要すると認めた場合には、債務者審尋を行わず、即日決定を出すこともあります。
決定を出すためには、保証金の供託が要求されることになりますが、民暴事件の場合には、一般的に保証金は低額に設定されています。

ただし、債務者審尋を行っていく過程において、相手方が民暴行為をやめることを約束し、和解で解決することもあります。
どのような場合においても、仮処分では、本処分と異なり、申立ての趣旨に沿った手続が短期間のうちに進められることになります。

3.仮処分命令を守らなかったら

場合によっては、裁判所の仮処分決定が出たにもかかわらず、民暴行為が止まないということもあります。このような場合は、裁判所から出された仮処分決定を警察に持参し、脅迫罪または強要罪などで立件してもらうように依頼することがよいかと思われます。裁判所から命令が出ていることから、警察も積極的に取り締まってくれるはずです。
また、裁判所から、違反行為1回につき金○円を支払うというような命令を出してもらう手続(間接強制)を利用する手段もあります。

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