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「民事不介入の原則」とは

「民事不介入の原則」とは、どのようなことでしょうか。民暴事件にも、この原則は適用されるのですか。

1.「民事不介入の原則」とは

警察の債務は、個人の生命、身体および財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧および捜査、被疑者の逮捕、交通の取締りその他公共の安全と秩序の維持であると警察法においてされています。
近代社会では、個人の財産権の行使、契約の締結、履行等の民事上の法律関係では、原則、個人の私的自治に委ねられるべきものとされており、その法律関係上の義務を履行しないのであれば、民事裁判によって解決するべきであるとされています。
このように民事裁判で解決されるような内容に関しては、警察の介入は認められないとされているのが、民事不介入の原則です。

2.「民事介入暴力」と「民事不介入の原則」

しかし、債務者の生命・身体に危害を加えるような言動があれば、これはただの民事上の問題にはとどまらず、その言動自体が恐喝罪に該当すると判断されることがあります。
民事介入暴力は、暴力団等の威嚇力を背景としている者が当事者の一方であった場合、民事上の法律関係に介入することになり、本来であれば、対等ないし平等であるはずの民事上の関係が崩れ、当事者が威圧されることによって、自由意思で判断することができないということが問題の本質にあります。

上記のように、民事介入暴力行為が犯罪に当たる場合、また一方の当事者が暴力団関係者等であり、その相互関係を放置することによって、公共の安全および秩序の維持という観点から見たときに問題となる可能性が考えられる場合には、警察はこれを防止し、または出来る限り支障を軽減するための措置をとるべきであるといえます。

以前は、民事不介入原則における誤った認識や、民事に関わる事案の取扱いを担当する警察官が知識・経験不足等であったことから、このような事案についての職務執行が十分でないという指摘を受け、警察も民事介入暴力対策の強化に務めています。

このことは、平成12年の日弁連・警察庁・全国暴力追放運動推進センターの三者間の共催で行われた民暴対策全国大会での警察庁長官の「民事介入暴力の卑劣な実態を考えると、警察が『民事不介入』を理由に消極的な対応をするということは許されることではないと認識している。警察刷新に関する緊急提言においても、住民に対する対応の的確さが強く求められている。特に『民事不介入』についての誤った認識を払拭する必要があると厳しく指摘されている。このようなことを踏まえ、警察は民事介入暴力に対して、刑罰法令を適用し、徹底的に検挙に取り組むことはもちろん、刑罰法令に触れない行為に対しても、暴力団対策法などの適用等によって、可能な限り施策を講じ、被害防止・回復等に努める所存である」という決意表明からみても明らかであるといえます。

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