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警察と弁護士の協力体制

民暴対策に関して、警察と弁護士会は協力して対応していると聞きましたが、教えてください。

1.警察と弁護士会の連携の必要性

民暴事件を根絶させたいと思っているのは、「公共の安全と秩序の維持(警察法2条)」を主な使命としている警察にとっても、「基本的人権を擁護し、社会正義を実現(弁護士法1条)」を主な使命としている弁護士にとっても共通の課題であるといえます。
最近の民暴事件の態様としては、債権回収を妨害する占有屋、権利関係書類の偽造による競売妨害、寄付金・賛助金名目の金品要求、下請契約締結の要求、物品の購入要求、街宣車による誹謗中傷など、複雑かつ多様なものとなってきており、刑事事件と民事事件を明確に区別することが難しくなってきているのが特徴といえます。明確に区別することができない状況において、刑事事件には弁護士は関与しないや民事事件だから警察は関与しないなど、お互いに相手任せであれば、民暴事件の被害者に対する救済は手遅れとなります。このようなことを回避するためにも、警察および弁護士会が互いに民暴事件を処理するための独自の機関を設置し、役割を分担しながら連携を保つようにしてきました。

2.民暴対策の強化

民事介入暴力対策を充実・強化する必要のある警察では、昭和54年12月に「民事介入暴力対策センター」を警察庁に設置し、また各都道府県警察本部には、民事介入暴力対策に関する担当官を置き、暴力団関係相談・暴排活動等を通じて、市民に対する被害者救済を行っていました。
さらに警察では、刑事事件と民事事件が交錯するような民事事案でも企業や市民から利益を得ることを許さないため、暴力団排除条項を法律等の各業界に盛り込むことによって、積極的に暴力団の排除を行うとともに、あらゆる法令を適用させることによってより積極的に検挙をする方針でいます。

一方、日弁連では、「民事介入暴力対策特別委員会」を昭和55年に設置し、56年3月には特別委員会を常設委員会と改めました。このことを受け、各都道府県の弁護士会も「民事介入暴力被害者救済センター」を設置し、相談を受けた際には弁護士を紹介し、事件の適切な処理を行っています。

また、各都道府県に設置した「暴力追放運動推進センター」でも相談に応じてくれますし、暴力団に関する情報提供や裁判費用の貸付けなどの業務も行います。

3.協力体制の確立

民暴事件については、警察と弁護士会がそれぞれに役割を分担しながら共同で行ってきました。
しかし、平成4年に暴力団対策法が施行されたことにより、これを契機として、暴力団排除気運が高まり、地域住人によって、
①暴力団組事務所の撤去・使用差し止め訴訟
②暴力団員の不法行為等による被害回復のための損害賠償請求訴訟
③政治活動標ぼうゴロによる街宣活動禁止の仮処分
など、暴力団等の活動を封じる活動や被害者に対する救済が行われ、そのことにより警察と弁護士会の連携はさらに強まり、また暴力団組長の共同不法行為責任、使用者責任を認める画期的な判決等を得られることが可能になりました。

平成10年には、千葉県において、警察・弁護士会・暴力追放運動推進センターが三者協定を結び民暴事件にあたることとなり、これによって全国に同様の制度ができるようになりました。
さらに平成12年より三者の連携を強め、民暴事案に適切な対処をするために情報交換等を行う「民暴研究会」が設置され、活動を行っています。

警察・弁護士会・暴力追放運動推進センターの事例

①指定暴力団傘下組織の組長が代表を務める政治結社が、平成9年に59回にわたり、茨城県内の町長に対して辞職等を求める街宣を行った上、同町長の実父宅の外壁に乗用車を衝突させるなどしたため、町長等が組長や実行犯を相手取って損害賠償請求訴訟を提起した。関東弁護士会連合会民暴委員会17名で結成する弁護団および茨城県暴力追放運動推進センター、警察は連携して訴訟支援を行い、その結果、平成13年、被告組長に対し約600万円の支払および謝罪広告の掲載を命じる判決を勝ち取り、同年12月、地元新聞に謝罪広告が掲載された。

②平成11年、東京都の公共施設が、設立記念パーティーの開催を予定していた暴力団関係政治団体の施設利用承認を取消したことについて、政治団体が公共施設を相手取り、約3,000万円の損害賠償を請求する訴訟を提起した。第二東京弁護士会・暴力団追放運動推進都民センター・警察による支援を行った結果、平成13年10月、東京地方裁判所は、原告である同団体の請求には理由がないとして原告の請求を棄却し、被告である公共施設の全面勝訴となった。

③福井県(平成12~16年)、宮崎県(平成15~16年)、高知県(平成17年)では、警察・弁護士会・暴力追放運動推進センターが連携し、新聞ゴロ等からの機関紙(誌)購読要求に対し、県下全自治体で民暴委員会の弁護士が代理人となり、枚用証明郵便などで購読拒否通知文を発出し、仕方なく続けていた関係を遮断した。
現在、他の自治体や企業でも、同様の取組みが進められています。

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