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暴力団の活動形態

「暴力団」とはどのような団体ですか。また、最近の活動形態について教えてください。

1.「暴力団」とは

「暴力団」とは、簡潔にいえば、「暴力という手段を生活の中心とする反社会的な集団」のことをいいます。この用語は、警察によって昭和30年代に用いられていたものを一般化したもので、それ以前は「やくざ」や「極道」などと呼ばれていました。
他にも、活動資金を得る形態をとっていることから、賭博を稼業としている集団のことを「博徒」、露天商や大道芸人等を稼業としている集団のことを「的屋」などと呼ぶこともありました。

現在では、「暴力団」という言葉も法律用語として浸透し、暴力団員による暴力的行為等における必要な規制ならびに暴力団員同士の抗争による市民生活における危険を防止するために必要な措置などを目的とした暴力団対策法(正式名称:暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律)も施行されています。暴力団対策法2条では、暴力団とは「その団体の構成員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体をいう」と定義されており、この暴力団に対する定義があることにより、債権管理回収業(サービサー業)や産業廃棄物処理業等から法律による暴力団の排除に踏み切っています。

他にも風俗営業等の規制および業務の適正化等に関する法律4条3号では、「集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪にあたる違法な行為で国家公安委員会規則で定められているものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」に該当する者に関しては、風俗営業等の営業を行うことに対して禁止しています。

裁判所は、浜松の一力一家事件において、「いわゆる親分・子分関係を基軸として結合し、集団的に又は常習的に暴力等不法な手段を用いて私的な目的を達しようとする団体」であると、暴力団を位置づけています。

2.「暴力団関係企業」とは

「暴力団関係企業」とは、暴力団員が実質的に経営に携わっている企業や準構成員もしくは元暴力団員が経営している企業のことをいい、暴力団に資金提供を行うなどして、暴力団の維持あるいは運営に対して積極的に協力をするもしくは関与する企業あるいは業務の遂行等について積極的に暴力団を利用して暴力団の維持もしくは運営に協力している企業をいいます。
これは従来、「暴力団フロント企業」や「企業舎弟」等といわれていたものです。

暴力団対策法が制定されたことにより、日本に存在する大規模な暴力団はすべて指定暴力団として指定されました。指定暴力団の構成員は、取締りを受ける可能性が高くなり、暴力的要求行為による資金獲得活動を継続することが難しくなりました。これにより、検挙や暴力団対策法の規制から逃れるため、暴力的要求行為を必ずしも伴うとは限らない企業活動へと一層進出し、ほかにも暴力団関係企業を尖兵とし、暴力団に対して一般企業から資金を提供するように仕向けるなどすることによって、暴力団が維持および運営を行えるように協力する暴力団関係業を確保することに成功することとなりました。暴力団は、当初、主に不動産業、建設業、金融業、飲食業、風俗営業等への進出が目立ちましたが、近年では、産業廃棄物処理業、人材派遣業、警備業等への進出も見られています。

問題として指摘すべきことは、企業の中には、暴力団を利用しようとする存在もあるということです。暴力団を利用して仕事の受注やトラブルの処理を行うことは、一般企業における企業経営のあり方として大変危険なことです。最初のうちはよい関係を保てるかもしれませんが、場合によっては、暴力団側に脅されることや乗っ取られることなど、企業本体が脅かされることは過去の事例からみても考えられます。

3.「社会運動等標ぼうゴロ」とは

「社会運動等標ぼうゴロ」とは、政治活動や社会運動を仮装または標ぼうし、不正な利益を得る目的で、暴力的要求行為を行う可能性が考えられるグループもしくは個人のことをいい、「政治活動標ぼうゴロ」と「社会運動標ぼうゴロ」に分類することができます。

「政治活動標ぼうゴロ(えせ右翼等)」では、街宣活動等を行うことにより、組織の威力を行使しています。
一方、「社会運動標ぼうゴロ(えせ同和行為者等)」では、人権問題や環境問題を口実に、企業等に対して違法、不当な要求を行うことをしています。

警視庁では、平成19年2月に、建設業者に対してアンケート調査(暴力団対策法により定められている不当要求防止責任者を選任した建設業者3,000社に対する建設業における暴力団等の資金獲得活動の実態に関するアンケート調査)を実施しました。その結果、不当要求を受けたことのある企業に対して、相手がどのように名乗って不当要求行為が行われていたのかについて質問したところ、「同和等の社会運動団体に所属すると名乗った」と回答したところが70%、「右翼等の政治活動団体に所属すると名乗った者」が25%(複数回答)という結果になりました。

このようなことから社会運動等標ぼうゴロから受ける不当要求に対し、組織的に対応するための体制をつくっていくなど、普段からの準備が重要とされています。

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