不倫・離婚・DV 危機管理・不祥事対応の弁護士相談は永田町法律税務事務所へ|危機管理.com

    [CATEGORY]:不倫・離婚・DV

夫婦間で「傷害罪」は成立するか。[POSTED]:2018-07-10

[ 問 題 ]Q46 夫婦間で「傷害罪」は成立するか。
正解!答え:『 A.成立する。 』
理由:夫婦でも怪我をさせれば傷害罪が成立します。
不正解答え:『 A.成立する。 』
理由:夫婦でも怪我をさせれば傷害罪が成立します。

「二度と友達に会うな。」

A子は厳格な父と貞淑な母の下に育ちました。父は九州男児で亭主関白そのものという夫でした。父が「飯」「風呂」と言えば、母はすぐに準備をし、出した料理が気にくわなければ、遠慮なく「まずい」と言っていました。母は「お口に合わずすみません」と謝り、別の料理を作り直していました。夫婦ってそんなものなのかな。A子は漠然と思っていました。
A子も適齢期になり、友人の紹介で付き合い始めたB男と結婚しました。笑顔の素敵な営業マン。仕事の成績もよく、社内外での評判も上々のようです。専業主婦になって欲しいというB男の願いを聞き入れ、A子は仕事を辞めました。
しかし、籍を入れると同時にB男は一変しました。B男は外面だけが良い、いわゆる内弁慶タイプ。短気で喧嘩っ早い本来の性格を押し殺して、仕事で作り笑顔をしているため、そのストレスをA子にぶつけてきたのです。
飯がまずい。部屋が散らかっている。アイロンが下手だ。毎日難癖をつけて怒鳴り散らされました。

A子が大学時代の友人と出かけていて帰りが遅くなった時も、B男の怒りが爆発しました。
「おまえは俺の金で生活しているのに勝手に出かけるなんて許さない。二度と友達に会うな。」
髪を引っ張られ、顔を何度も殴られました。逃げ惑うA子を押さえつけ、腹に蹴りを入れられました。
一度タガが外れたB男は、その日以降、日常的にA子に暴力を振うようになりました。妻である以上、夫の言うことに従わなければ。A子には逃げるという選択肢はありませんでした。お前は屑だ。何にも出来ない女だ。俺が結婚してやらなかったらのたれ死んでいた。
常に暴力に怯えているうちに自我が消えてしまいました。B男の言葉に抵抗感がなくなり、A子は自分自身が本当に駄目な人間のように思えてきました。
久々にA子を訪ねてきた母が、A子を見て愕然としました。化粧気もなく髪はぼさぼさ、しわが増え、クマがくっきりと出た目には生気がありません。母は、ひとりで刑事事件弁護士に相談したようです。刑事事件弁護士からアドバイスを受けて、今すぐ実家に帰って、B男を傷害罪の刑事事件として告訴しろと言いますが、夫婦間で犯罪は成立するのでしょうか。

夫に対し「接近禁止命令」も可能

夫婦だからといって、暴力を振い、傷つけてもよい理由などありません。
夫の暴行によって怪我を負っているのなら当然に、傷害罪が成立し刑事事件となります。怪我がある場合には、病院に行き、医師の診断書を取るべきだというのが刑事事件弁護士からのアドバイスです。傷害罪は15年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。執行猶予、または罰金を支払っただけでまた自分のところへ戻ってきたら、報復が怖い。
B男の行為はドメスティックバイオレンスに該当します。

DV法(「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」)は、被害者への保護策として、
一.配偶者暴力相談支援センターへの相談
二.警察への通報
三.保護命令の申立て
の三つの規定を置いています。
保護命令の申立てをした場合、DV被害が認められると、裁判所は加害者の配偶者に対し、
① 被害者への六カ月間の接近禁止
② 被害者と同居している場合には二カ月の自宅からの退去
③ 子への六カ月間の接近禁止
④ 親族への六カ月間の接近禁止
⑤ 被害者に対する六カ月間の電話等の禁止
を命じることができます。
もし、加害者がこの命令に違反した場合は、一年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられることになります。

男性が被害者となることも

配偶者からの暴力は、身体に対する暴力だけでなく、精神的暴力についても保護の対象となっています。恫喝したり、日常的に罵ったり、人格を否定する暴言を吐いたり、無視したり、外部との連絡を禁じたりする等。その他、性行為を強要する、避妊に協力しない、ポルノビデオを無理やり見せることなどは性的暴力にあたり、これもDVに該当します。
配偶者による同居に耐えがたい暴行・虐待が原因で、夫婦関係が破綻に至れば、「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当し、離婚することもできます。亭主関白と暴力夫は似て非なるものです。刑事事件に該当する犯罪行為を耐える必要はありません。
なお、配偶者とは、必ずしも女性だけではない。男性が被害者となることもあります。婚姻の届出をしていない内縁関係の場合も含まれるうえ、離婚後も引き続き暴力を受ける場合も適用されます。

刑事事件弁護士の一言

肉体的・精神的暴力を振るわれたかどうか。

ページトップへ戻る

不倫・離婚・DV』のその他の記事

浮気相手を好きになった。夫と離婚できるか。
[ 問 題 ]Q48 浮気相手を好きになった。夫と離婚できるか。 A.夫に慰謝料を払えば離婚できる。 B.10年間、夫と別居すれば離婚できる。 C.浮気した側から離婚は請求できない。 不正解答え:『 B.10年間、夫と別居すれば離婚できる。 』 理由:離婚の原因を作った側からの離婚請求が認められるのは、夫婦関係が破綻している場合です。別居の場合、約10年の別居期間が目安となります。 正解!答え:『 B.10年間、夫と別居すれば離婚できる。 』 理由:離婚の原因を作った側からの…...
[ 危機管理における男女トラブル , 不倫・離婚・DV ]
    夫が他の女性とキスをしていた。離婚できるか。
    [ 問 題 ]Q45 夫が他の女性とキスをしていた。離婚できるか。 A.離婚できる。 B.離婚できない。 不正解答え:『 B.罪にならない。 』 理由:性行為がなければ、不貞行為にあたらないので離婚できません。 正解!答え:『 B.罪にならない 』 理由:性行為がなければ、不貞行為にあたらないので離婚できません。 「ほんとかわいいなー。チュー。」 今夜は会社の忘年会でした。上司と席が離れていたのを良いことに、一年の憂さ晴らしとばかりにW男は久々に酔っぱらいました。挙句、情…...
    [ 危機管理における男女トラブル , 不倫・離婚・DV ]
      妻子ある上司が「妻とは別れて君と結婚する」と指輪もくれたが、結婚してくれない。
      [ 問 題 ]Q34 妻子ある上司が「妻とは別れて君と結婚する」と指輪もくれたが、結婚してくれない。 A.損害賠償を請求できる。 B.損害賠償は生じない。 C.損害賠償を請求される。 不正解答え:『 C.損害賠償を請求される。 』 理由:不倫は法的に保護されません。 不正解答え:『 C.損害賠償を請求される。 』 理由:不倫は法的に保護されません。 正解!答え:『 C.損害賠償を請求される。 』 理由:不倫は法的に保護されません。 「訴える? 自分の立場わかってるの…...
      [ 危機管理における男女トラブル , 不倫・離婚・DV ]
        「不倫を妻にバラすぞ」と脅された。相手を脅迫で訴えられるか。
        [ 問 題 ]Q21 「不倫を妻にバラすぞ」と脅された。相手を脅迫で訴えられるか。 A.脅迫罪が成立する。 B.脅迫罪にはならない。 C.ケースバイケース。 不正解答え:『 C.ケースバイケース。 』 理由:相手から積極的に告知されていたかどうかによります。 不正解答え:『 C.ケースバイケース。 』 理由:相手から積極的に告知されていたかどうかによります。 正解!答え:『 C.ケースバイケース。 』 理由:相手から積極的に告知されていたかどうかによります。 「妻と別…...
        [ 危機管理における男女トラブル , 不倫・離婚・DV ]
          人妻との不倫はなぜ「非常に危険」なのか(理由として間違っているものを選べ)。
          [ 問 題 ]Q20 人妻との不倫はなぜ「非常に危険」なのか(理由として間違っているものを選べ)。 A.高額の慰謝料を請求されるから。 B.強姦罪(無理やりセックスを行った罪)で訴えられるから。 C.姦通罪(既婚女性とセックスを行った罪)に問われるから。 不正解答え:『 C.姦通罪(既婚女性とセックスを行った罪)に問われるから。 』 理由:現在の法律では不倫自体は罪になりません(姦通罪は1947年に廃止)。 不正解答え:『 C.姦通罪(既婚女性とセックスを行った罪)に問われる…...
          [ 危機管理における男女トラブル , 不倫・離婚・DV ]
            社内不倫がバレて「クビ」を通告されたらどうするか。
            [ 問 題 ]Q19 社内不倫がバレて「クビ」を通告されたらどうするか。 A.受け入れるしかない。 B.不当解雇だと訴える。 不正解答え:『 B.不当解雇だと訴える。 』 理由:私生活上の行為なので、不倫でも普通は懲戒解雇まで認められません。 正解!答え:『 B.不当解雇だと訴える。 』 理由:私生活上の行為なので、不倫でも普通は懲戒解雇まで認められません。 facebook が「命取り」 D男は営業部の課長。専業主婦の妻と中学一年の娘、小学五年生の息子がいます。休日は、…...
            [ 危機管理における男女トラブル , 不倫・離婚・DV ]
              ページトップへ戻る

              他にはないサービス。無料相談は原則、受け付けません。

              無料相談を掲げる法律事務所とは一線を画し、価格競争はせず、報酬に見合う良質なサービスを提供しています。他の弁護士事務所にできないミッションを達成し、紛争解決に集中してリソースを割くために、相談対象を紛争性がある危機管理事件に限定しています。
              「内容証明が届いた」「対立当事者に弁護士が就いた」「調停・裁判中」「調停・裁判目前」「弁護士を替えることを検討中」など、紛争性が顕在化している方は無料電話相談(初回15分)・無料メール相談(1往復のみ)・土日夜間の電話無料相談(初回15分)で対応します。

              来所ビデオ通話電話・メール・土日夜間
              内容証明が届いた事件1時間:
              12,000円税別
              ※来所困難な方に限り、
              1時間30,000円税別にて
              電話相談に応じます。
              1時間:
              62,000円税別
              電話:初回15分
              メール:初回1往復
              土日夜間:初回15分
              無 料
              対立当事者に弁護士が就いた事件
              調停・裁判中、調停・裁判目前の事件
              弁護士を替えることを検討中の事件
              その他、紛争性がある事件
              (潜在的なものも含めて)
              非対応
              来所ビデオ通話電話・メール・土日夜間
              内容証明が届いた事件1時間:
              12,000円(税別)
              ※来所困難な方に限り、1時間30,000円(税別)にて電話相談に応じます。
              電話:初回15分
              メール:初回1往復
              土日夜間:初回15分
              無 料
              対立当事者に弁護士が就いた事件
              調停・裁判中、調停・裁判目前の事件
              弁護士を替えることを検討中の事件
              その他、紛争性がある事件
              (潜在的なものも含めて)
              非対応

              ※お電話やメール、土日夜間の電話相談は、「内容証明が届いた」「対立当事者に弁護士が就いた」「調停・裁判中」「調停・裁判目前」「弁護士を替えることを検討中」など、紛争性が顕在化している危機管理事件に限定して、簡略なアドバイスを差し上げる限度で提供しています。メール相談電話相談または土日夜間の電話相談よりお問い合わせください。

              ※一般的な法律知識については、お電話やメールでのお問い合わせを受け付けておりません。
              一般的な法律知識に関する情報は危機管理大全でご案内していますので、こちらをご利用ください。

              来所予約・お問い合わせ
              03-5532-11129:00~19:00 土日祝日除く※お電話又は予約フォームにて法律相談のご予約をお取り下さい。
              ※小さなお子様の同伴はご遠慮ください。